【the gallerty @ engawa:アーカイブ】竹取物語 (~2020年2月7日)
#ギャラリースペース
the gallery @ engawa KYOTOでは現在“古美術 鐘ヶ江”による「竹取物語」展が開催されました。(現在は終了しております)
現存する日本最古の物語とされる竹取物語をテーマとしたこの企画展では、藤原國景の「銀地竹図屏風」がダイナミックに展示され、ギャラリー空間が平安時代の竹林にタイムスリップしたような演出となっております。
そしてその竹林の前に佇むのが米原雲海の木彫「竹取翁」。竹の中からかぐや姫が輝きを放って産まれた瞬間の、翁が驚く様子を木目を生かし細部にわたり描写しています。かぐや姫誕生の瞬間の輝きを木目で表現する洗練を極めたこの彫技が日本木彫史に残る名作であることを示しています。ガラスケースに展示されていない本作品を鑑賞するまたとない機会となっております。
さらには日本を代表する竹芸作家の作品も展示。ギャラリーの壁には名工、初代田辺竹雲斎による「祝子形掛花籠」が掛けられており、初春らしい可憐な姫水仙が生けられております。これは古さを感じないグラフィカルでユニークな作品で、祝子形という名前から「羽振」という神前で神主や巫女が衣の袖を振り、舞を奏している様子に想像が掻き立てられます。
時代を現代に移し四代田辺竹雲斎の作品「Dissapear」はアルゴリズムや構造計算など、「伝統」×「テクノロジー」の融合により、虚空に溶け込むような繊細なオブジェ作品であり、竹工芸の新たな可能性を模索する作品でもあります。
もうひとつの立体的なオブジェは、大分県竹田市に拠点を構え、ボストン美術館をはじめ、世界各国の美術館やギャラリーで作品を発表、リッツカールトン京都などのアートワークも手がける中臣一のPrismシリーズのCircle。 この作品は幾何学図形を重ねることで、光のきらめきを表現。神社のおみくじを、神木に結びつけるイメージを持たせつつ、<円を結び>は<縁結び>に重ね人との繋がりが大きく広がる様にとの願いを込めている作品となっています。
最後の紹介するのが烏丸通に面して鎮座する生野徳三の「漣」。幾何学と自然からインスパイアされた形が流れる様に調和しており、高貴でとても美しい存在感を放っています。
平安時代に創作された日本最古の物語「竹取物語」をモチーフに人間の創造力を竹で編み連ねた企画展となっております。是非開催期間中、足をお運びください。(2020.2.7まで/現在は終了しております)
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