【 engawa young academy 】 メンターインタビュー みずほFG篇
#インタビュー
左)みずほフィナンシャルグループ グローバルキャリア戦略部 大阪人事室 調査役 角田 健さん
右)インタビュアー)電通 京都BAC engawa young academy 事務局 湊 康明
―eya初日を終えての率直な感想は?
初日は、自己紹介プレゼンがあったので大きなイベントでした。自己紹介プレゼンは社名を隠して自分自身の志や生き様、あるいは学生に対して提供できる価値をプレゼンするものだったので、私自身の真価を問われる良いきっかけになったとも感じています。
―メンタードラフト※で選ばれて、グループが決まっていかがでしたか?
※メンターが企業名を隠して、学生に対して自己紹介プレゼン。学生が希望するメンターを指名するプログラム。
「選んでくれてほんまにありがとう」というところでした(笑)。とはいえ、ここで終わりではなく、これからがスタートです。私がこれまで約8年間〈みずほ〉の法人RM※という業務を通じて培ってきたもの、例えば経営者目線の着眼点であったり、より実現性の高いアセットの組み合わせ方なんかをこれからのプログラムに活かして、実際のビジネスに近い経験をして頂きたいと思っています。
※法人リレーションシップマネジメントの略。法人営業担当。
―チームを決めていく学生たちの様子を見て、どのようなことを感じましたか?
このプログラムを通じて、真剣に自己成長やコミュニティの構築などに繋げようとする意思を強く感じました。
―学生の前で、社会人も戦う機会に対してはどう思いますか?
メンタードラフトは良い機会だと思います。立ち返ってみると、本来そうあってもいいのではないかなとも思いましたね。メンターだって、選ばれる立場であってもいいかなと。一方的ではないところが形としていいと思う。
eya初日、メンタードラフトで自己紹介プレゼンをする角田さん
―それが事務局側としてはやりたかったことだし、こういう機会をよかったと言っていただいて嬉しいです。
では、ここからは御社の今についてお伺いしたいと思います。学生が持つ「金融」の既成のイメージとは違い、みずほグループは実はこういうことやっている、ここを知ってほしい、というところを教えてください。
〈みずほ〉=銀行、銀行=融資業務をイメージされることがあります。銀行の中でも、融資業務は主たる業務である事は事実です。ただ、みずほフィナンシャルグループには、銀行だけではなく、証券や信託銀行もあって、企業の資金調達ニーズに対しては融資以外の様々なソリューションの提案が可能です。
過去約8年、法人RMとして現場にいた私が言えることは、お客さまと共に“あるべき姿”を考え、共有した上で、金融のプロとしての専門性を駆使しながら、その“あるべき姿”を実現してゆくということです。その積み重ねが経済・社会の発展に繋がると考えています。あくまで融資は1つの手段でしかない、ということですが、世間からはこの融資のイメージが大きく捉えられているんですよね。
―実際にはお客様へのコンサルティングやビジネスを成長させる機能も担われているんですね。
お客さまやその先にある経済・社会のあるべき姿を考えて、今何をやるべきか、お客さまのニーズを汲み取って、ビジネスをマッチングさせるような取り組みもしています。銀行には情報が沢山あり、ネットワークも広いです。グループ内のリサーチ・コンサルティング機能を活用して、例えば〈みずほ〉に蓄積されている産業毎のノウハウを活用したビジネスの創出など、お客さまのニーズをマッチングさせるだけでなく、こういうことができるのではないかという仮説を立てて、将来の姿を一緒に考えています。
お客さまからは融資だけではなく、情報やネットワークも頼りにされていると感じており、例えば、お客さま同士を繋げるマッチングフォーラムは毎回多くのビジネス機会を創出しています。
―時代の激しい変化の中で、みずほが目指しているところや取り組みはどんなものでしょう?
〈みずほ〉が今まで以上に必要とされ、頼りにされるために強力・強靭な金融グループを目指しています。そのためには、金融そのものの価値を超えた、非金融領域を含めた新たな価値を創造していこうとしています。例えばキャッシュレスへの取り組みとして〈みずほ〉はJ-Coin payというサービスを提供しています。キャッシュレス決済の浸透によって現金の取り扱いは無くなり、銀行はいらなくなるのではないかと言われることもありますが、実は金融機関が自ら取り組んでいる分野です。あるいはLINEとの提携で新しい金融サービスへ挑戦するなど、非金融含め外部との提携などを積極的に進めていきます。
J-Coin payの提供開始について:https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20190220release_jp.pdf
LINEBank設立準備会社を設立:https://www.mizuhofg.co.jp/release/20190527_2release_jp.html
―なるほど。今をチャンスとして、金融機関自らがオープンになっているんですね。ご自身の入社後から、そういった環境の変化は大きかったと思いますが、社風や事業の変化をどう感じていますか?
非金融との取り組みは正直、入社前は想像もしていなかったですね。お客さまのニーズ自体が高度化・多様化してきていることがあるので、その時々で先を見据えて自分たちも変わっていかなければならないと思っています。一方で変わらない思いもあります。〈みずほ〉の社員一人ひとりの価値観・行動軸となっているの“Client-Oriented-お客さま第一の徹底-”です。お客さまの夢や希望、あるいは課題や悩みにしっかりと寄り添い、それらを解決へと導く優れたパートナーであるということ、また金融の高度なリスクテイク能力と金融仲介機能によって経済・社会の未来を創造すること、は、金融機関の普遍的存在価値と考えています。
―変わっていくことと変わらないこと、その役割を今後も担っていくために、どのような人材を求めていらっしゃいますか?重視されている方針、取り組みを教えてください。
変化に対応できる人・自ら新しい価値を創造できる人・リーダーシップを持って周りを巻き込める人を求めています。インターンでは、金融ビジネスへのイメージを持ってもらえるよう、様々なコンテンツを用意しています。参加頂いた学生さんからは、インターンへ参加したことで『金融へのイメージが大きく変わった』という声や、『とても興味が湧いた』『金融で働きたいと思った』というポジティブな声を頂くケースがほとんどです。
インターンの内容では、答えの無い問題に対し、お客さま、そして経済・社会の発展のため“あるべき姿”を考え、実現してゆく金融のプロフェッショナルとしての業務を体感してもらうものになっています。
―活動の中で、課題に感じていることはありますか?
キャッシュレス化や異業種から金融への参入・マイナス金利とかそういうワードだけとって「金融は大丈夫なのか」というイメージを持たれているケースがとても多いです。最初に金融というだけで遮断される学生さんも多いので、情報を正確に伝えることが難しいと感じています。ただ、イメージだけで就職活動はして欲しくないので、金融に対して正しい情報をお伝えした上で、学生に判断してほしいなと思っています。
実際働いていて分かるのは、金融ってものすごく重要な役割だということ、その社会的な役割や仕事の醍醐味をちゃんと分かってもらいたいと思って、日々学生の皆さんと接しています。
―今後、御社に入る学生に、どのようなことを望まれますか?
〈みずほ〉は新人事戦略で、社員自らがキャリアデザインを描き挑戦意欲を高め、社内外で通用する人材バリューを高めることを掲げていますので、これらを是非実践していってほしいと思っています。
―非金融との協業だったり、副業制度など挑戦する環境は整ってきているんですね。
社員の副業を含めた兼業を解禁しています。社内における競争原理で考えるのではなく、自己実現していくためのスキルを身につけてほしいと思っていますし、社会で金融に対する価値観が変わってきているので、非金融の新しい領域にも挑戦する機会があります。
―ありがとうございます。では、そういった環境の中で、eyaに参加した理由はなんでしょうか?
このプログラムに企業として参加した理由は、若い才能がより高い視座を持って社会に出て行っていただきたいという願いを後押ししたい思いがあるので、参加を決めました。個人としては、一人ひとりの可能性を呼び起こすきっかけになりたいという思いで参加しました。そして、eyaを通じて私自身の成長にも繋げていきたいと思っています。
―異業種の方々と会って刺激はありましたか?
eyaに参加されている会社は全然違う業界業種の方々ですが、この国の未来を共に育てていこうという思いで集まっていると思うので、私はこの4ヶ月間有意義なものにしたいなと思っています。eyaというプログラムだけでなく、就活の当たり前を違う観点で変えていけるプログラムのスタートダッシュになれればいいなと思っています。
―eyaの学生に感じたことや期待することはどのようなことでしょう?
新しい考えを取り入れようなど学ぶ姿勢が強いように感じて、これからまだまだ成長されていくのだろうなと思いました。期待することとしては、プログラムを通じて、一人ひとりの考え方をかけ合わせてチームの力を発揮できるような成果を期待したいです。
―最後に、メンターとしてチームやeyaの学生に伝えたいことはありますか?
個の能力も重要ですが、チーム力がものすごく重要です。私自身も一人でやってきた仕事ってほとんどなく、今回の多様性のあるチームの中で、チーム力を発揮することを求めたいです。何かを成し遂げるためには高い視座を持って“あるべき姿”を考え、周りを巻き込んでヒト、組織を動かす必要がありますので、メンターとして僕なりの視点・視座などのアドバイス、サポートをしたいと考えています。また、参加されている学生にとって、ファイナンスなど金融面での知識は今後どの企業に就職するにしても、あるいは起業するにしても役に立つと思っていますので、金融がどれほど重要な役割で、社会的に意義のある存在なのかを知った上で、社会に出て欲しいと思います。