京都から世界を変える! 事業共創拠点engawa KYOTO開所レセプションレポート

#プログラム/セミナー

株式会社電通が京都・四条烏丸エリアに設立した事業共創拠点engawa KYOTO(エンガワ キョウト)の開所式が7月25日(木)、engawa KYOTO内で行われました。招待客200名を超える大盛況となった開所式の模様をレポートします!


engawa KYOTOは株式会社電通が開設した会員制コワーキング・シェアオフィス機能を兼ね備えたビジネスプラットフォームです。個人、企業を対象とし、そこに集う人々の“縁”をつなぎ、これからの日本の活力となる事業創造支援を行う場となることを目的とし、開設されました。世界トップクラスのアクセラレーターであるPlug and Playも、日本での2つ目の拠点“Plug and Play KYOTO”として入居し、京都という地の持つ発信力を味方につけた今までにない事業共創拠点として期待されています。

当日は、engawa KYOTOのパートナー企業や京都を拠点とする地域企業、日本全国のスタートアップ、メディア関係者の方々が多数参加され、大盛況でした。こけら落としとして、engawa KYOTOの1階に特設の能舞台を設置し、能楽師の河村晴久先生による迫力ある清々しい高砂の祝舞によりengawaKYOTOの開所を寿いでいただきました。

電通 八木隆史関西支社長、engawaKYOTOプロジェクトリーダーである電通の前田浩希EPDによる開会の挨拶に続き、来場いただいた皆様を代表いただきまして、京都市 門川市長よりお言葉を頂戴いたしました。また西脇府知事は公務都合により式の後半での出席となりましたが期待に満ちた祝辞をいただきました。
200名を超える招待客が耳を傾けた後、ご来賓の代表によるengawaKYOTOの今後の発展を祈願して勢いよく鏡開きが行われ、engawaKYOTOのロゴ入りの特製升でふるまわれました。
蓋が空いた瞬間広がるお酒と木の良い香りに樽を囲んだお客様方も顔をほころばせていました。(樽酒は松竹梅・宝酒造株式会社様にご提供いただきました。)

今回は、電通クリエーティブX所属のグラフィックレコーダー中尾 仁士氏に、グラフィックレコーディングの手法でレセプションをビジュアル化していただきました。

ご来場のゲストからコメント

当日ご来場いただいた方々に、いま京都の地で新しいコワーキングスペースがオープンするということへの期待について、お話を伺いました。

Plug and Play Japan(株) 代表取締役 フィリップ・誠慈・ヴィンセント様
engawaKYOTOにPlug and Playが日本の2拠点目をオープンさせた目的としては、Plug and Playのグローバル規模のスタートアッププラットフォームと京都の産官学や関西の企業そして世界の企業と連携するためのハブとして期待しているからです。Plug and Playとしては、engawaKYOTOからユニコーン企業を生み出したいと考えています。それが一番のミッションです。そのためにはクロスボーダーで様々なスタートアップを中心とした交流が生まれたらいいと思っています。

(株)リンク アンド モチベーション 組織開発デザイン室 エグゼクティブディレクター 樫原 洋平様
次の世界を変える若手人材をengawaKYOTOから生み出したいと考えています。10年後に日本の大企業の主軸になるイントレプレナーは全員engawaKYOTOから輩出された、と言われるレベルの取り組みを考えています。

(株)ディスカバー・ジャパン 代表取締役 齋藤 健一様
個人的にも京都への出張が多いので、ぜひ利用させていただきたいです。京都という歴史のある場所から受ける刺激に加えて、いろんな最先端のイノベーションの刺激が集い、それに触れられ、またイノベーションが生まれる場所として期待しています。そういう意味でengawaKYOTOの場で実施されるプログラムやイベントといったソフト部分にも非常に興味を持っています。engawaKYOTOをDiscover Japanも一緒に作っていきたいと思います。

(株)GO  代表取締役 福本 龍馬様
最近特に、シェアオフィスと呼ばれる場所を多数見ますが、「電通が世界的なアクセラレーターであるPlug and Play社と組むシェアオフィス」ということに意味を感じています。日本のみならず世界に発信していける、他とは圧倒的に違うシェアオフィスとして存在感を高めて欲しいです。

(株)GO ビジネスプロデューサー 田中 陽樹様
おめでとうございます。京都はインバウンドも多いし世界への発信力も強い。日本を代表するような強いビジネスが生まれるといいと思います。私たちのオフィスは六本木にありますが、我々も京都オフィスを構え、六本木と京都の2拠点で頑張っていきたいと思います。

(株)Scoville 代表取締役CEO 出谷 昌裕様、(株)Reccoo 取締役 菅川 将輝様
Scovilleのエンジニアに外国人が多く、彼らも京都という場所に魅力を感じて集まっていて、京都は海外への魅力度は高いです。若者を応援している企業として、engawaKYOTOには若者が世界に触れ、本当のイノベーションに触れられる場所になってほしいと思います。ビジネスのきっかけになり、何かが生まれてくることができたら面白いと思います。

伊藤忠商事(株) 調査・情報部 関西開発調査室 室長 加藤 行教様、室長補佐 脊板 道雄様
伊藤忠ファッションシステム(株) 代表取締役社長 駒谷 隆明様

engawaオープンおめでとうございます!次世代を担う人たちがいきいきと集う空間としてください!京都のStationFとなることを期待しています。
(編集註:StationFとは、2017年にオープンしたパリの世界最大規模のオープンイノベーション施設です)

RELATED

#プログラム/セミナー

世界が認めるフレームワークを使って未来の本質課題を開拓するワークショップレポート(後編)

電通京都BACは山口周氏のベストセラーの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)にて紹介され一躍有名になった、経営層向けに美大教育を行っている世界最高峰の美術系大学院Royal College of Art(以下、RCA)。その教授・講師陣を京都に招聘し、2日間にわたる世界最高峰のビジネス×美大教育ワークショップ“Innovation Masterclass in Kyoto”を実施しました。Day1の 前編 に続き、本稿では後編としてDay2の内容をお届けします。   さて、2日目は2つ目のダイヤモンドである「展開(Develop)」「提供(Deliver)」フェーズにて解決策を探索していく流れになります。↓のモデルでの赤枠部分にあたります。     まずは準備運動~オリエンテーション Day2の内容にフルスロットルで挑むために、まずは準備運動。ということで、隣に座っている人のイメージの色の紙を選んで、似顔絵を描いてみましょう。というワークから幕開けしました。絵を描いてください、というと大人はためらってしまいがちですが、Day1でクリエーティビティが開花したのか、オリジナリティあふれる絵がほんの数分でずらっと並びました。   ハードなDay1を経た次の日、朝一のワークですが一気に笑いが広がります   作品が大量に生み出されます     ダブルダイヤモンドモデルでDay2の流れを説明   第三のフェーズ「展開(Develop)」 マイヤーソン教授のオリエンテーションの後、Day1のようにチームに分かれて展開(Develop)ワークを開始します。展開(Develop)フェーズで行うことは、Day1で得た課題に対してとにかくたくさんアイデアを出していくということ。ただ、このフェーズはまだ解決に向けた具体のアイデアではなく「抽象思考」で考えなければ、細かいアイデアが多くなってしまいます。   現実的であるかどうか、ビジネスインパクトがどうか、自社の利益になるか、などの諸条件はまず頭から追い払って、抽象的で革新的であることを意識しつつ、たくさんアイデアを出していきます。   脳みそを動かすためにたくさんのレゴを積み上げてみたり、粘土をこねてみたり。ここでもいつもアウトプットを前提にしている美大ならではのやりかたも試してみました。     手渡されるとなんとなくこねてしまう粘土の魔力。少し体を動かすと脳の違う部分が働いて発想が広がります   アイデアがある程度出たところで、今回のワークショップでは“望まれ度合い”ד実現性”の2軸を取ったフォーマットに張り付けていきます。これが次の絞り込みフェーズの重要なヒントになります。     アイデアが用紙に収まりきらずホワイトボードも大活躍です   二軸フォーマット。抽象的で革新的なアイデアを出すのに苦労したチームも多く、RCAのファシリテーターから“How Radical?(どのくらい革新的?)の文字が書かれました   たくさんアイデアが出せたら、最終フェーズの提供(Deliver)へ突入です。   解決法を絞り込む、第四のフェーズ「提供(Deliver)」 展開(Develop)フェーズで大量に出したアイデアを絞り込み、ビジネスとして形にしつつ、ビジュアルプレゼンテーションに落とし込むのが提供(Deliver)フェーズの作業です。どのフェーズよりも忙しいフェーズかもしません。   絞り込みは展開(Develop)フェーズで使った2軸のフォーマットを参考にしながら、具体化させていきます。絞り込む上での理想はもちろん実現性が高く、市場から望まれている度合いも高い、2軸のフォーマットでいうと右上のものですが、具体的にアイデアを展開する上での広がりなども考慮しながらプレゼンテーションの準備を進めます。   RCAから出されたビジュアルプレゼンのお題は「電車の中づり広告」です。日本のユニークな広告ビジュアルということで、お題になりました。ワンビジュアルで伝えるために強いコンセプトを抽出して絵にするという非常にハードルの高いワークです。   大量のアイデアの中から絞り込み、1ビジュアルと1ワードの広告として伝わるよう試行錯誤   クリエーティブなプレゼンに向けて、粘土やレゴを使って表現するチームも   ついに最終プレゼン! 2日間という時間を使って考えたインクルーシブデザインの最終発表です。クリエーティブな2日間を過ごした各チーム、プレゼンテーションのやりかたも非常に多岐にわたり、面白く、いくつかのアイデアは会場から「これはぜひ欲しい!」と声が漏れるほど。   紙で立体のロボットの“プロトタイプ”を作ったチーム   お昼ご飯に出たお弁当の空箱(!)と椅子を使って新しい乗り物を表現したチーム   各チームのクリエーティビティあふれる発表に講師陣も大興奮のご様子でした。   最後に参加者全員で良いと思ったアイデアに投票し、各講師陣からも賞が贈られました。       2日間のワークショップを終えて:参加者のアンケートより 充実のプログラムをこなした2日間のプログラム全体の満足度は非常に高く、ほとんどの方にまた受けたいと言っていただくことができました。今回は、一般企業(耐久消費財、通信、サービス、トイレタリー、エネルギー)、行政職員、僧侶、工芸家、スタートアップ、学生など幅広い方々に参加いただきました。ダイバーシティ溢れる皆様からの声をご紹介します。   『デザイン思考のプロセスを短期間で体現しながら学ぶことができ、非常に満足しています。普段、仕事をする上でも課題としているテーマであったことから、今後の仕事でも活かせるワークショップでもありました。』   『異業種のグループメンバー、講師、メンターの方と交流できたのは純粋に面白かったです。 ダブルダイヤモンドモデルなど通常の業務だけをしているとなかなか学べないメソッド、問題特定⇒課題設定⇒ソリューションまで一貫した課題解決の有用性に改めて気づかせて頂いた時間でした。』 『チームでアイデアが大きく跳ねる瞬間や、イラストで可視化することによる議論の深まりなど、色々な学びを得ることができました。先生方や事務局のみなさまには、丁寧にサポートしていただきありがとうございました。またこのような機会があれば、ぜひ参加させていただければと存じます。』   ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。   著者の感想 2日間本当にハードなワークショップでした。アイデアの発散と収束、思考を抽象と具体に交互に飛ばしていく、脳みそのスポーツのような2日間でした。普段の生活で特段意識しない“思考プロセス”を、世界最高峰の美大であるRCAから系統立てて学ぶという非常に貴重な2日間でもありました。   参加者からも、現業に戻っても、壁に当たったときに学んだ発想プロセスを使ってみた、チームにシェアしてより効率的で有意義な議論ができている、との声も多くもらっています。ワークショップは2日間ですが、思考プロセス自体を学び、日々のビジネスの現場に適応していけるものであるとの確信を得ています。   今後とも京都BACはこのような取り組みを多く運営していきます。古さと新しさのインターセクションにクリエーティブが生まれると信じております。   ご興味ある方はぜひ、ご連絡ください。    

#プログラム/セミナー

世界遺産を舞台にした国際アートフェアartKYOTO 2019初開催を裏側から語る全レポート

2019年9月に初めて開催された国際アートフェア「art KYOTO」の開催までの軌跡、そして、本番期間中の様子を、artKYOTOの裏側で動いていたプランナー伊藤の視点でご紹介します。   世界遺産二条城を舞台にした国際アートフェア artKYOTO 2019 artKYOTOは、京都の歴史や文化を背景に、日本のアートシーンの発展、アート産業振興の原動力となることを目的として、2019年9月6日~9日に世界遺産二条城を舞台に初開催された国際アートフェアです。   artKYOTO 公式ロゴ伝統と創造性を表す「折り紙」をモチーフにしたデザイン   アートフェアとは、アートを観るだけでなく、実際に購入ができるイベントです。 世界では、スイスのアート・バーゼルなどが有名ですが、今回のartKYOTOは、世界遺産、しかも、城を舞台にしたアートフェア、という世界初といえる試みでした。   artKYOTO 2019会場 二の丸御殿台所外観   初開催にも関わらず、国内外から名だたるギャラリー・美術商31軒が集い、4日間の期間中の総来場者は約1万人、メディアにも多数取り上げて頂きました。   artKYOTO開催中の様子 (Photo by office TKD)   後援には、内閣府をはじめ5省庁、73カ国大使館/領事館、メディア各社にご協力を頂きました。 電通は、このプロジェクトに対して、京都市他と同じ主催の1社として、通常とは違うレイヤーで、ゼロからの事業立ち上げに関わりました。   新しい時代に、京都ではじめる意義 artKYOTO会場に向かう来場者 (Photo by office TKD)   2019年は令和という新時代がはじまった年ですが、実は、過去の改元の多くは京都が舞台でした。しかし、今回の令和の改元を祝う祭事の多くが東京で行われることが発表されていました。京都を盛り上げる志を持つ京都BACメンバーを中心として、この時代の節目にここ京都で何かできないか、という思いが募り、企画がスタートしました。 時代のトレンド「アート」と「京都」のコラボレーションイベントを、場所は大政奉還という時代の転換点となった場所「二条城」で実施したいという構想がメンバーの中で持ち上がりました。 二条城での開催に向けては、門川大作京都市長をはじめ、多くの行政の方にご協力を頂きました。貴重なアート作品が、歴史遺産に並ぶ。その作品を手に取る世界中のVIPアートコレクター。そんなシーンを作り出すべく、前例のないプロジェクトが動き出しました。 2019年1月にはartKYOTO開催のプレスリリースを配信。多くの反響を頂きました。さらにその後、京都での初開催に向けて、artKYOTO実行委員会を発足し、体制を確立しました。   artKYOTO実行委員会設立 記者会見の様子。左から、來住尚彦(一般社団法人 アート東京代表 理事)、渡邊隆夫(京都府中小企業団体中央会会長・西陣織工業組合理事長)、門川大作(京都市長)、佐々木丞平(京都国立博物館館長)、近藤誠一(京都市芸術文化協会理事長、元文化庁長官)。(出典:artKYOTOプレスリリース)     歴史的空間とアート作品のコラボレーション 開催3か月前には、artKYOTO出展ギャラリーが決定。地元京都からの出展11軒を含み、国内外から集ったギャラリーは31軒。本物を知る「京都」でのアートフェアならではの、格式高いギャラリーが集いました。 実際に、artKYOTOの本番会場では、各ギャラリーのブースごとに、二条城の歴史的建造物を生かした展示がされ、古美術から近代、現代アートと歴史遺産の空間が融合して、来場者の驚きを生み出していました。   artKYOTO会場内の様子   artKYOTO会場内の様子(Photo by office TKD)   二の丸御殿台所と御清所(おきよどころ)では、24軒のギャラリーが出展・販売。天井に重厚な梁が渡り、土間と板間が一体となった歴史を感じさせる広い空間の入り口には、壁・床・天井がすべてガラスで構成されたガラスの茶室 「雪花庵(せっかあん)」(板橋一広、浦一也、”清昌堂やました”)が配置され、歴史とアートのユニークな出会いを象徴するものとして、来場者を迎えました。   ガラスの茶室 「雪花庵(せっかあん)」(板橋一広、浦一也、”清昌堂やました”)  (出典:artKYOTOプレスリリース)   また、その奥には、“NUKAGA GALLERY“からゴッホの水彩画が展示され、歴史的な空間の中に、古美術や工芸、近代美術、現代アートのあらゆるジャンルで活躍する国内外で評価の高いアーティストの作品が揃いました。   ゴッホの絵画を見つめる着物姿の女性。西洋と和の美の競演。“NUKAGA GALLERY” (出典:artKYOTOプレスリリース)   地元京都のギャラリーとして、時代にとらわれず優れた日本美術を扱う“思文閣”、古美術と茶道具を扱う“宇野商店”、若手作家から物故作家まで国内外の現代美術を紹介する“ART OFFICE OZASA”らが出展しました。   “思文閣” (Photo by office TKD) 二条城のお堀に面し、見張り台として建造された「東南隅櫓」では5軒の美術商が出展。仏像を展示した“古美術 柳”では、荘厳な雰囲気が感じられました。   二条城・東南隅櫓に空間に合わせた古美術作品の展示「古美術 柳」   artKYOTO 東南隅櫓会場の様子 (Photo by office TKD)   さらに、東南隅櫓を出てすぐの外庭に設けた特設ブース「ライブアートガーデン」では、“アンザイ ギャラリー”が出展。Instagramで245万人超のフォロワーを持つグラフィティ・アーティスト、Mr Doodle(ミスター ドゥードゥル)のライブペインティングパフォーマンスが行われ、集まった人々は日本の伝統的な庭園内と鮮やかなミスター ドゥードゥルの世界観の融合を楽しんでいました。   二条城内でミスタードゥードゥルによるライブペインティングを開催 “アンザイ ギャラリー”(出典:artKYOTOプレスリリース)     artKYOTO初開催を記念するセレモニー artKYOTO開催初日には、二条城の東大手門に設けられた特設会場で、オープニングセレモニーが開催され、artKYOTO実行委員長を務める門川大作京都市長をはじめとする京都の団体、経済界、文化界を代表する実行委員と、安倍昭恵氏らゲストの計11名が、初開催のartKYOTO 2019の成功を祈念して鏡開きを行いました。   artKYOTO 2019 オープニングセレモニーでの鏡開きの様子。左から、大西 洋 株式会社羽田未来総合研究所 代表取締役社長、渡邉 隆夫 京都府中小企業団体中央会 会長、立石 義雄 京都商工会議所 会頭、田村 明比古 成田国際空港株式会社 代表取締役社長、コシノジュンコ デザイナー、來住 尚彦 artKYOTO総合プロデューサー、近藤 誠一 公益財団法人 京都市芸術文化協会 理事長、門川 大作 京都市長、安倍 昭恵 内閣総理大臣夫人、佐々木 丞平 京都国立博物館 館長、中野 善壽 東方文化支援財団 代表理事(出典:artKYOTOプレスリリース)     artKYOTOに来場者されたVIPへのおもてなし artKYOTOではVIP向けホスピタリティとして、京都らしい様々なおもてなしをご準備させて頂きました。   VIPラウンジとして使用された「香雲亭」   さらに「ザ・リッツ・カールトン京都 」に用意した「artKYOTO 2019 Reception / KYOTO art night 2019」には、京都地域、公共機関関係者をはじめ、ギャラリー・美術関係機関、ビジネス界そして文化界など様々な分野から625名が集い、 artKYOTOの初開催を祝いました。     artKYOTO 2019 レセプションの様子。世界各国の大使館や京都を代表する方々、企業幹部にギャラリー、アーティストなど多彩な面々が集うレセプションパーティー(Photo by office TKD)   さらに、artKYOTO期間中は、京都内の様々なアートイベントとコラボレーションし、アートの街「京都」を盛り上げました。 特に、日本初開催となるICOM KYOTO(世界博物館会議)をartKYOTOのパートナーイベントとして、ICOM関係者をartKYOTOにご招待するなど連携を図りました。 加えて、京都市立芸術大学の若手アーティストの作品を展示するなど、次世代のアーティスト支援、京都のこれからのアートシーンに資する活動も行いました。   レセプション会場に展示された若手アーティスト作品に見入る来場者   さらに、artKYOTO来場者に配られるパンフレットは、二条城以外にもアートの街としての京都を楽しめるよう、京都のアートスポットを記載した「アートMAP」を掲載。artKYOTOを訪れた方へお配りさせて頂きました。   artKYOTO公式パンフレット (出典:artKYOTOプレスリリース)     5坪のギャラリーから世界を臨んだ。 engawa Kyotoでのサテライトギャラリー 2019年7月22日に京都にオープンした電通の事業共創拠点「engawa KYOTO」。 スタートアップや大手企業が集う事業共創拠点の施設入り口には5坪ほどのギャラリースペースが設けられています。   engawa KYOTO(右側手前がギャラリースペース) 写真提供:安田慎一   このギャラリースペースは、オープンから2ヶ月間、世界遺産・二条城で初開催された国際アートフェア「artKYOTO」のサテライトギャラリーとして、artKYOTO出展ギャラリーによる様々な作品が展示されていました。   engawa KYOTOギャラリースペース展示 (Photo by Oriental antiques Kanegae)   初開催を終えて 9月9日最終日、最後のギャラリー搬送車を見送り、無事に初開催を終えたartKYOTO。 artKYOTO全体を振り返れば、「舞台は世界遺産の前例なき挑戦」ということで課題も多数発生しました。そんな中でも、多くの方にご協力を頂き実現にまでこぎつけ、本番では来場者からも驚きや喜びの声を頂き、運営側にも多数の学びや喜びがありました。この場を借りて、ご協力を頂いた皆様に心から感謝申し上げます。   artKYOTOの取り組みをこれからどうやって広げていくか。やるべき課題はまだまだあります。まず、取り組みをより多くの方に届けるためにも、アートがもたらす価値を、言語化や定量化することが急務だと感じています。今は“分かる人だけに分かる”と敬遠されがちなアートの価値をより多くの人に伝えることができれば、アートの裾野は広がっていくと信じています。   さらに、アートを活用した企業ブランディング、アートを使ったコミュニケーションもまだまだやれることがありそうです。   京都の魅力を生かした事業開発を目指す 2020年オリンピック・パラリンピック、2021年には京都への文化庁本格移転、そして2025年には万博と、世界中の注目が日本に集まるタイミングがやってきます。それはつまり「日本らしさ」を語れるモノやコトに価値が見いだされていくチャンスとも言えるかもしれません。   京都BACでは、artKYOTOのように、京都を日本のオリジンとして、歴史や文化、そこに流れる美意識の価値を、京都の魅力、日本の魅力として事業開発に生かすことにこれからも挑戦をしていきます。   京都を舞台にした、Art×Craft×Scienceをテーマにした挑戦の場、そして、多様性に富んだ企業や個人が集う事業共創拠点としてengawa KYOTOを引き続きよろしくお願いします。   engawa KYOTOギャラリーにご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください!  

#プログラム/セミナー

世界が認めるフレームワークを使って未来の本質課題を開拓するワークショップレポート(前編)

電通 京都BACは山口周氏のベストセラーの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)のにて紹介され一躍有名になった、経営層向けに美大教育を行っている世界最高峰の美術系大学院Royal College of Art(以下、RCA)の教授、講師陣を京都に招聘し、2日間にわたる世界最高峰のビジネス×美大教育ワークショップ“Innovation Masterclass in KYOTO”を実施しました。Day1を前編、Day2を後編としたシリーズの記事でお届けいたします。   「MBA(Master of Business Administration)」(経営学修士)かつて、ビジネスの世界では、MBAを持つことがステータスとなり、ひとつの勲章とされてきました。今、世界ではMBAよりも、「Master of Fine Arts=MFA」(美術学修士)を持っている人材の方が重宝されているのはご存知でしょうか? 従来の経営学、統計学、マーケティングの方法論を使ってロジカルに“正しさ”を追求すると皆が同じ答えにたどり着き、それはすぐにコモディティ化していきます。いまの時代だから、ビジネスそしてイノベーションに必要なのは美大教育である、が通説になってきています。   例えば、サイクロン掃除機で有名なダイソン社の創設者であるJames Dyson氏はRCAの卒業生ですし、Airbnbの創業者の3人のうち2人がRhode Island School of Designでデザインを学んだ学生なのです。   今回のワークショップの大テーマは“人生100年時代の幸せをもたらす社会のあるべき姿”。高齢化社会の課題先進国とされている日本において、これから迎える人生100年時代に全ての人が生き生きと暮らしていくためのインクルーシブな商品やサービスなどのソリューションについて考えていきます。   ワークショップに先駆け行われたキーノートセッション 2日間のワークショップの初日の午前中には、ワークショップの背景にある大きな社会のトレンドや、これからの高齢化社会の商品やサービスに求められるキーコンセプトについての講演が行われました。   キーノートセッションは京都造形芸術大学の春秋座にて実施。ワークショップ参加者を中心に多くの人に参加いただきました   山口周氏 RCA のジェレミーマイヤーソン教授の基調講演に先立ち、ビジネスシーンでの美大教育の重要性を説いた著書も話題の山口周氏にキーノートの口火を切っていただきました。なぜ今、ビジネスに美意識が必要か、今回のワークショップにも直結するテーマについてわかりやすく、お話していただきました。   RCAのジェレミーマイヤーソン教授   続いて、今回のワークショップのメインファシリテーターを務めていただいたジェレミーマイヤーソン教授教授による基調講演が行われ、高齢化社会を見据えたイノベーションに求められるキーコンセプについてレクチャーいただきました   基調講演を受けて京都造形芸術大学 教授、さくらインターネット株式会社 フェロー、株式会社メルカリ R4Dシニアフェローである小笠原治氏、予防医学研究者の石川善樹氏にもご登壇いただき、それぞれの視点から、なぜ日本の企業ではイノベーションが興しにくいのか、また午後からの人生100年時代のインクルーシブデザインワークショップに向けた示唆あふれるお話を語っていただきました。   左からジェレミーマイヤーソン教授、小笠原治氏、石川善樹氏。ファシリテーターとして山口氏を迎えた豪華なメンバーでトークセッション   キーノートセッションの後は、京都造形芸術大学が誇るプロトタイピングファクトリー「ウルトラファクトリー」の視察や、CESの視察レポートなどでさらに情報インプットし、ワークショップへ挑みました。   ウルトラファクトリーディレクターで現代美術家のヤノベケンジ氏によるファクトリーの紹介   いざワークショップ本番へ ワークショップは場所を移してengawa KYOTOにて実施しました   さて、今回のワークショップを設計する上で、とても重視したのは多様性です。ともすれば企業に勤める社会人だけで構成されてしまいがちなワークショップですが、今回は京都を中心に活躍される宗教家・美大生・起業家・伝統工芸家・行政職員の方々そして内閣官房からもお招きし、参加者それぞれが異なるバックグラウンドの持ち主でチームを構成。ダイバーシティ溢れるチームを組成することで、企業の言語や文化といった企業都合の事情を排除し、会話の公共性を高め社会課題の本質についで議論できる環境づくりをおこないました。       前述のとおり、ワークショップの大テーマとして“人生100年時代におけるウェルネス”を設定。その下にサブテーマとして「働くこと(Work)」「アイデンティティ(Identity)」「繋がり(Connectivity)」「移動性(Mobility)」「家(Home)」の5つのサブテーマを設け、各サブテーマにつき2チームずつ、計10チームでアイディエーションに取り組みました。   今回のRCAのワークショップで実践するデザインシンキングメソッドは“ダブルダイヤモンド”方式です。1つ目のダイヤモンドで「探索(Discover)」「定義(Define)」、2つ目のダイヤモンドで「展開(Develop)」「提供(Deliver)」というそれぞれのフェーズに分けてアイデアの発散と収束を繰り返し、さらに各フェーズで「具体(Concrete)」と「抽象(Abstract)」のそれぞれの思考でアイデアを発散・収束させることで課題の定義、機会の発見、解決策の探索というプロセスをたどります。     第一のフェーズ「探索(Discover)」で課題を発散   このフェーズでは、それぞれのサブテーマにおける本質的な課題を発散させます。 例えば、「Work(働く)」のグループで実際に議論された課題は、以下のようなものでした。 ・若者とシニアの共存の難しさ ・年功序列や定年制度といった制度に潜む課題 ・人間としての尊厳を保つ上での承認欲求の充足をどう生み出すか ・スキルを可視化してマッチングができないか? ・シルバー人材サービスでは高齢者のスキルを活かしきれていないのではないか このようなたくさんのインサイト・深掘りのコメントを出し、その中でも印象的なもの、強い課題のもとになりそうなもの、今まで気づかなかったものといった視点で選んだものを抽出していきます。   このワークショップで大切にしていることの一つが可視化です。各フェーズのアウトプットを整理していくのに適したフォーマットが用意され、振り返ったときに美しく、わかりやすくなっていきます。このDiscoverフェーズでは、抽出されたものをツリー型のフォーマットに貼っていきます。“ツリーの枝は細い“という前提のもと、たくさん出た意見を慎重に抽出し、枝を折ることなく本質課題を見極めていくことに必要な意味のあるファインディングを選んでいきます。     第二のフェーズ「定義(Define)」で課題を発見   発見(Discover)フェーズで見つけた気付きをチームごとで発表した後、第二のフェーズ「定義(Define)」に入ります。このフェーズを経るとおのずと取り組むべき課題に対するソリューションを考えていく上での指示書となる「デザインブリーフが出来上がります。このフェーズが一番難しく、ここを乗り越えて良いブリーフを出すことができれば、あとは楽だ、とRCAのファシリテーターも口をそろえるほど困難なフェーズです。ここでは、発見(Discover)フェーズで得た気付きのツリーを見ながら抽象的な思考をもって「要するにその課題の本質は何?」という問いを繰り返し、課題を見つけていくという作業になります。   ファシリテーターの説明も熱が入る     発見(Discover)フェーズのアウトプットを見ながら抽象的にDefine(定義)していく。右はDefineフェーズのアウトプットフォーマット   Discoverフェーズの枝を参考にしながら抽象度を上げ、見つけたいくつかの課題をさらに抽象的にとらえ、骨太な課題を発見していきます。 参加者も四苦八苦しながら、それでも発表後の一言目には「よい課題を得た」とRCAのジェレミー教授も舌を巻くほどの課題を抽出することができました。   発表の様子   これで一日目は終了。二日目はいよいよ解決方法の模索に入ります。