JAMJAM!編集長/ビジネスクリエーター

奥田 涼

Ryo Okuda

外資コンサルティング企業にてコンサルタントとしてBtoC・BtoBに関わらず、幅広い企業・領域でのプロジェクトを経験後、電通にて、マーケティングコンサルティング、ブランディングコンサルティングのプロジェクトに従事。現在は京都ビジネスアクセラレーションセンターにてスタートアップとの協業で新しいビジネスや価値を創るオープンイノベーションプロジェクトを多数のクライアントとともに推進している。

ARTICLE

電通、ハワイと連携して“Island Innovation Program“やるってよ!

1月31日、“電通、ハワイのコワーキングスペース事業者Jelly Works LLCと提携しengawa KYOTOのサービス・事業拡大”というタイトルのリリースが出ました!   ↑画像クリックでリリースのURLに飛びます   大人気の旅行先ハワイと京都でのコワーキングスペースの連携から始まる新しい取り組みということで、リリースの反響もかなりいただいております。このプログラムの象徴的なイベントとして5月下旬に京都とハワイを繋ぐ”Island Innovation Demo Day”も計画されています。 電通とハワイ?すこし意外とも思える組み合わせでのこの取り組みですが、取り組みの意図や背景、Demo Dayイベントについて総合プロデューサーである京都BACの田中 浩章さんに話を聞いてみました。     IIP統合プロデューサー田中浩章さん   ―そもそもなぜハワイなんですか? ハワイという場所は特別なんです。歴史的に日本人が多く移り住んでいて、いまでもたくさんのラストネームが日本人名のハワイ人が多く住んでいます。だからこそ、日本の独特と言われる企業文化に理解があり、日本のビジネスを受け入れる土壌が整っています。それでいて国としてはアメリカだから、日本のスタートアップから見ると、日本のマーケットを飛び出して北米市場を目指すとっかかりとしてチャレンジしやすい場所だと思います。 そしてハワイのスタートアップも、ルーツから日本市場を目指す企業が多く、ニーズがマッチしたというのが取り組みのきっかけでした。 ―では、“Island Innovation Program“について教えてください。 日本とハワイの共通項としての「島」というところを捉えて、あえてプログラムに“Island”とつけています。 デジタル化によって世界の画一化が進む中、固有の文化と異文化が共存、融合し、個性ある文化を育んできたお互いの「島」という環境に着目しています。歴史のつながりも深い日本とハワイがお互いの未来を構想する、双方の発展を目的とするプロジェクトとして「Island Innovation Project」を推進していきたいと思っています。     IIPの中心となる日米メンバー 左から順に、Jelly Works LLC, PartnerのLeo Rogerさん、電通 京都BAC 田中浩章さん、Jelly Works LLC, CEOのRechung Fujihiraさん、MajiConnection LLC, CEOの岩崎貴帆さん、Purple Mai’a Foundation, DirectorのAlec J.Y. Wagnerさん、電通 京都BAC 石原知一さん ―その中のキックオフ的なイベント“Island Innovation Demo Day”とはなんですか? このプロジェクト全体の象徴的なイベントにしたいと思っています。 具体的にはホノルル市にあるコワーキングスペース”Sand Box”と京都BACが運営主体となっている“engawa KYOTO”をオンラインでつなぎ、社会課題解決を目的にしたハワイのスタートアップが、日本の企業や資本家に向けてピッチをし、その逆に日本のスタートアップが、ハワイの企業、政府機関、投資家といったオーディエンスに向けピッチ行う相互のピッチ大会を予定しています。   Island Innovation Demo Dayイベント概要   ―どんな人に見に来てほしいですか? 日本から北米/世界、ハワイから日本/アジアと行きかう視点があるのでどなたが見てもそれぞれ学びは多いと思います。 具体的には、北米やグローバルへのビジネス展開を検討しているスタートアップ関係者や企業の新規事業担当者、ハワイの土地を北米・世界へ出て行くためのテストベットとしての価値に興味を持たれる方、ハワイローカルの有力企業、政府組織等とのコネクションを作りたい方、さらに、ハワイの島としての課題に取り組む日本市場や日本市場に興味のあるスタートアップについて関心のあるVC、CVC、企業の新規事業担当者といったところでしょうか。   ―では最後にプログラム全体の今後の展望をお聞かせください。 今回のプロジェクトを通して、電通が、日本起点のビジネスを世界に羽ばたかせるサポートができればと考えています。IIPは単にイベントを開催することが目的ではなく、そこに集った企業が世界に羽ばたくことを実質的にサポートしていくべく、プログラム開発も予定しております。 中心的な存在として、IIPのハワイ側でハワイ州がオフィシャルにかなり関わっています。日本では、企業同士の事業共創というトレンドはありますが、事業共創・ビジネスインキュベーションという点で、日本のパブリックセクターは課題解決という視点からは主体的能動的な動きが弱いと感じています。 官が主体になって、国の垣根を越えて、お互いの課題や、それに対する具体策・解決のためのアイデアを共有しあい、新たな未来を描くといった流れが作れても良いのではと考えています。 例えば、京都とハワイ、共通の困りごととして「観光客の多さ」からくる各課題があります。 京都市は“オーバーツーリズム”として捉え、一方ハワイでは“レスポンシブルツーリズム”を促進することでプラスに転換する方法を探っている。事象が同じでも、その捉え方が違うことによって見えてくる課題や解決策が異なる。新たな視野を取り入れることで、目指す未来像をもっと明確に持ち、新しい考え方を取り入れて、よりよい未来をつくるきっかけを作れるのでは、と考えています。 そうすることで、プロジェクトの目的である、互いの未来を考えあい、相互発展を目指すということを具体化していきたいと思います。   最後に、今回のプログラムのサポーターであるCentral Pacific BankのExecutive Chairmanであるポール与那嶺さんからIIPに対する思いを動画にていただきました。ぜひご覧ください!   ハワイでの取り組みやDemo Dayに興味のある方は、Island Innovation Program事務局までお問合せお待ちしております! iip@engawakyoto.com    

広告づくりの手法をモノづくりに。クラウドファンディングCAMPFIREコラボ「香時計プロジェクト」

今回は、京都BACの実験的な取り組み“香時計プロジェクト”をご紹介いたします。   DENTSU JAM!× X-tech Management × CAMPFIREのモデルケースとして実施したプロジェクトで商品企画、プロダクトデザイン、プロトタイプ制作、クラウドファンディングの設計・実施、そして展示までを一気通貫でプロデュースした、京都BAC初のトライアルとなります。 ※ウルトラファクトリーと電通のコラボレーション事例はこちらの 記事 をご参照ください。   香時計は、すべてがデジタル化され、わかりやすく簡便化されている現代人のライフスタイルにゆとりをもたらす、“自分の時間をデザインする時計”として企画されました。 時間に振り回されるのではなく、じっくり自分と向き合う、特別な1時間を味わうためのプロダクトです。   一日の時間や気持ちにあわせてデザイン・香り違いの4種類のバリエーションを用意   時間を表現するために“灰が落ちる”というモーションにこだわった   プロデュースを担当した“Product Design Unitひとすじ”は アートディレクター中尾香那 と クリエーティブテクノロジスト三上美里 の2人からなるユニットです。   “Product Design Unitひとすじ”のお二人。アートディレクター中尾香那(左)とクリエーティブテクノロジスト三上美里(右)   彼女たちのもともとの素質としてのデザインセンスに加え、広告制作を通じて培った社会を切り取る目、それを手に取り触れるモノとして落とし込むという実験的なプロセスを経て、見た目に美しく、存在として新しい“香時計”というコンセプトが誕生しました。     お香としての実現性と美しさを兼ね備えるデザインにたどり着くまで、多数のデザイン案にて検討を重ねました   繊細な作業でプロトタイピングの方針を決めていく作業。実際に手を動かす中からの気付きも生まれます。   クラウドファンディングの目的は資金調達・達成ではなく支援者数。支援者の数を募ることで実現に向けた支援の輪を広げていきたいと考えています。 締め切りは1月末。引き続きご支援受付中です。 https://camp-fire.jp/projects/view/210144   なおプロトタイプ現物は、βooster studio by CAMPFIRE(渋谷パルコ1F)にて展示中。(〜1/31) 今後の商品化に向け、香時計の製造販売にご協力いただけるパートナー企業さまも、募集中です。     “Product Design Unitひとすじ“のお二人に話を聞きました 【アートディレクター 中尾香那さん】   ―そもそもなぜ”香時計”をつくることにしたのでしょうか? 中尾:何を作るか考える起点として、ただ単純にかわいいものや美しいものというだけでなく、電通が取り組む実験的なモノづくりという意味を考えて、世の中にメッセージを伝えられるものが良かった。その中で、京都という土地の特色である“クラフトマンシップ”や“伝統”を取り入れたいという思いで議論を重ね、香時計に行きつきました。   ―他にどういうアイデアがでましたか? お香のほかには仏具の”おりん”や日本人形をアップデートするというアイデアなどがありました。今回のプロジェクトが、ウルトラファクトリーとのラピッドプロトタイピングのモデルケース作りを目的としていたため、プロトタイプの必要性が高いプロダクトかどうか、自分たちの生活課題とのマッチングという観点で煮詰め、現状のアイデアに落ちつきました。   ―中尾さん的な、こだわりのポイントを教えてください 前述のとおり、コンセプトに重きを置き、説明が必要なプロダクトになることはわかっていたので、初見のインパクトとして「え?なにこれ?お香?」という一言を引き出すデザインというものを意識しました。 広告でいうところの「フック」に当たるポイントです。広告の手法を生かしたという点でもあります。 「吊るす」というデザインも「時間が流れる」ことを落ちていく灰で表現したかったからです。構造的・デザイン的に難しくはありますが、こだわっているポイントです。 実際に製品化していくためには、これから製造方法などを精査して、改めて検証が必要になるのですが、応援くださったみなさまの期待に答えるためにも、できる限り、いい形で世に出せるよう、頑張っていきたいと思っています。   ―電通がモノづくりをする意味とはなんだと考えますか? クライアントワークとしての電通の役割は、モノができあがってからという流れになります。もう少し前の段階からコミュニケーションを意識することで、メッセージとデザインが首尾一貫したプロダクトづくりができると思っています。このチームでは今後、モノづくりのプロセスのリデザインを目指していきたいと思っています。   ―では最後に、“Product Design Unitひとすじ“として今後の進め方は? 前述のようなモノづくりプロセスのリデザインに加え、広告作りの経験を活かした、直感的に心を動かすような、エモーショナルなモノづくりを目指しています。 私たちのモノづくりの考え方に共感くださり、ご一緒させていただけるパートナー企業様を募集中です!   【クリエーティブテクノロジスト 三上美里さん】   ―そもそも香時計にしたのはなぜですか? マーケットインでゴールを決めると既存プロダクトと差別化できないと考え、作り手である私たちのアイデンティティを反映し、すなおに欲しいと思えるものをブレストしました。論理的なものが好きな私と、伝統工芸が好きな中尾さんの両極の意見が合致したところが香時計でした。   ―自分たちが欲しいと思えるもの、とありましたが、消費者目線で香時計でなにを解決できると思いましたか? 消費者代表としてブレストを行なっていたので、効率化のためのデジタルツールに囲まれている自分たちが一番、時間に追われて余白がなくなっていることに気付き、それを解決できるものだと思いました。 長い間、人の生活に寄り添って淘汰されなかったお香をいまの生活に取り込むことで、人の本質を大切にできる=余白のなさを解決できると思いました。   ―作る中でこだわったポイントや、苦労したポイントはどこですか? 一貫して“電通としてのモノづくり“の意味を突き詰めました。その意味を大事にしながら、今後の”Product Design Unitひとすじ”の展開を見据えたうえでのコンセプトやデザインに乗せていくというところはこだわりでもあり、苦労したポイントでもあります。 また、私個人的に、古くからあるものが無条件に今も必要とは限らないと思っています。ただ、長い時間使われ続け、残り続けてきたと理由つまり価値があると思います。一方、便利になる世の中で、進化が急速すぎてひずみが生まれてきている現代に対して、長く残り続けてきたものがもつ理由や価値にヒントをもらうことができれば、骨太なコンセプトに昇華できるはずなので、そこからブレないことは常に意識しました。   ー今後、“Product Design Unitひとすじ”としてどう進めたいですか? 人の心を動かす広告のノウハウを持ってものづくりをするからには、カテゴリー全体をワンランク上げられるような象徴的なプロダクトを作っていきたいと思っています。そういう象徴的なものを作りたいと思ったときにご相談いただけるようなチームになりたいです。  

スタートアップのシード期にフォーカスしたイベント「スタートアップジャーニー」を振り返る

今回は、engawa Kyotoで行われた電通グロースハックプロジェクトによる電通共催イベントのレポートを、電通グロースハックチームのシニアコミュニケーションプランナーの大橋誠也氏から寄稿いただきました。 ※写真は登壇者の姜氏、有馬氏、米田氏、山田氏と電通グロースハックプロジェクト一同   関東圏外でスタートアップを始めるのは困難なのか?? 電通・アドウェイズ・Amplitudeの3社主催によるスタートアップにフォーカスしたイベント「スタートアップジャーニー engawa」を開催しました。 東京にヒト・モノ・カネ・情報が集中するトレンドが続くなか、関東圏外でスタートアップを始めるのは困難なのであろうか?また、グロースができる人材はそこには育たないのか?というテーマに向き合った内容のサマリーをお届けいたします。   スタートアップジャーニーengawaは、「電通グロースハックプロジェクト」での活動を通じて様々なフェーズでスタートアップの成長を支援してきた経験のなか、スタートアップが関東発のものが多いのでは課題意識を持ったことがきっかけです。なかでもサービスをグロースさせるスキル、人材がそもそも関東圏外に少ないと感じています。 関東圏外でサービス立ち上げを行うに際し、どのような障壁が存在するのか、課題は解決できるものか?解決可能なのであれば何から着手すべきなのか?こういった疑問を明確にしていきたく今回のイベントを開催する運びとなりました。      会場は京都にある電通のイノベーションオフィス「engawa Kyoto」です。 「engawa Kyoto」は個人、企業を対象とし、そこに集う人々の“縁”をつなぎ、これからの日本の活力となる事業創造支援を行う場となることを目的とし、開設されました。世界トップクラスのアクセラレーターであるPlug and Playも、日本での2つ目の拠点“Plug and Play Kyoto”として入居し、京都という地の持つ発信力を味方につけた今までにない事業共創拠点として期待されています。 起業支援に力を入れている福岡をはじめ、関西のスタートアップと言えばここ数年での投資マネーの調達が活発になりつつあり、大阪を中心に資金調達の段階に達するスタートアップが増えています。 京都ではLINEやマネーフォワードが京都府内にオフィスを開設しており、観光地として人気の高い地の利を活かしたグローバル人材の獲得を行っているなど、立ち上げに際しての環境は整ってきている点も多くあります。   なぜ、京都でスタートアップを始めたのか? 「実際、京都では海外人材も多く、採用に関しては確実に良い環境になっていると言えます。」と、アトモフ株式会社CEOの姜(かん)氏。 同社は開催地である京都のスタートアップであり、「窓型スマートディスプレイ」を開発・提供しています。クラウドファンディングMakuakeでも製品投資状況が直近で5,000万円以上となるなど、業界でも注目度が非常に高いと言えます。   姜氏:登壇席右 では、姜氏はなぜ京都でスタートアップを始めたのでしょう。海外人材の獲得や今後の展開を視野に入れて…というわけではなく理由は実にシンプルでした。前職(任天堂)が京都の企業であったこと、また、関東圏へ出るためのお金も、スタートアップ立ち上げ資金にした方が良いと考えた結果でした。 スタートアップの経営に際し、京都であることが理由で苦労したことなど無いかとお伺いしたのですが、大きく課題だと感じるシーンは少ないとのこと。 Q: スタートアップは京都が熱い? 京都でスタートアップとして活躍されている姜氏も言うように、そこまで大きな課題に直面するかと言うとそうではないのが実際のところなのだろうか? 関東圏外としてフォーカスして見てみると、福岡、大阪や京都は実際には企業活動が活発なであり、冒頭でもあったように京都へは各社が進出しています。 関東にいると「地方」と一括りに捉えてしまいがちですが、京都は伝統を重んじるだけでなく、新たな可能性を創出してくれる地なのだとセッションを通じても感じ取れました。 では、そうした新しい可能にドライブをかける投資側としては関東圏外という点において、何か意識する必要があるのでしょうか? 今回のイベントの共催者であり、全国へ投資を繰り返す株式会社アドウェイズの山田翔氏に質問をしてみました。     A: 投資を行うに際して関東か否かで判断はしたことがない 山田氏:登壇席中方   山田氏からはアトモフ社のほか、開催地京都のスタートアップ企業へ投資を行った経験等から、投資家目線での関東圏内と圏外、という概念に対して考えをお話頂きました。   そもそもどういう視点で投資を判断しているのでしょうか?「投資を判断する際にはやはり、事業内容と見通しは基本的に見ているなかで、スタイルとして細かい点まで口出しをしないようにしている。 すべての投資家がそうとは言えないものの、投資する際には気を遣う点が多々ある。 しかし、その中でその企業がどこを拠点にしているかは今の時代そこまで気にして見ていない。地方であろうが関東であろうがスタートアップが立ち上がることに投資を行うことは問題ではない」   山田氏は投資を行う側として、言うべきことはちゃんと伝えるようにするものの、基本的にはなるべく口を出さないことがほとんどだと言います。前に出過ぎないように気を配りながら進行を見守っており、世間で考える「投資家と投資をされた側のイメージと現実」は結構違うと強調していました。   調達した資金は商品が開発や製造が必要なこともあり、ほとんどが開発費に消えてしまうとのこと。投資元である山田氏へは企業側から説明をすることになりますが、「しっかり事業や会社状況を理解して聞いてくれて応援してくれるので非常に連携を取りやすい」「シード期から経営方針など細かく指示を出されないので精神的にも良い」と姜氏は感じており、両者の関係性が非常に良いことが感じ取れました。   エリア問わず日本が既に陥っているグロースのステップについて 京都のスタートアップ経営者、投資家としての目線からスタートアップを始めるにあたって土地は大きな影響が無いことが分かりました。 とはいえ、京都は東京と比べて企業数も少ないです。サービスグロースに関する知見を有した企業数も同様に少ないと仮定した場合、グローススキルにおいては京都に多少のビハインドは生じてしまうのではないか?この点については米国Amplitude Inc.のジャパンカントリーマネージャー米田氏がコメントしました。同社はThe New York Timesの2019年ユニコーン50社に選出されたグロース支援ツールベンダーで、米国でスタートアップ支援も行っています。   米田氏:登壇席左   「先ずそもそもですが、日本の場合、資金調達後、サービスをグロースさせる際に、いきなり広告へ予算を使う企業様が多くいる印象を持っております。」都内・地方に関係なく、日本と言う市場全体で陥ってしまっている状況である、と米田氏。 関東圏・外での比較ではなく、世界と日本の比較で話を切り出しました。   スタートアップでしっかり検証を行わないとならないのはPMF(プロダクト・マーケット・フィット)。Amplitude社ではサービスに対するユーザーの反応を図る指標としてリテンションを重視しており、このリテンションを軸にPMFが成されているかを判断しています。「リテンションを基に、サービスに定着してくれているユーザーがどのような行動を取っているのか、逆に離脱してしまう行動とは何か?を計測して明確にし、サービスの開発を続けていくかピボットするか等の判断支援を行っている」   また米田氏は、「PMFを検証しきらないタイミングで調達した資金で広告出稿を行い、一時的な利用ユーザー数の増加を達成しても、ユーザーが定着せず一定以上に成長できないことがある」とPMFの重要性について事例を挙げて説明しました。   スタートアップにとっては、今のサービスの健康状態を把握するツールの導入はコスト面などより避けられがちではあるものの、サービスをユーザーがどう捉えているかを把握することは常に必要なことです。しかし当然資金にも限りがあるため、Amplitude社としてはスタートアップ限定で通常有償のプランを1年間無償で利用できるプログラムを用意し、ツール利用によるPMF検証の促進と、イベントや勉強会などでのノウハウの共有によりスタートアップを支援し始めています。   イベントや勉強会が実際に都内を中心に行われることが多いようですが、米田氏は常に米国Amplitudeでの実績や知見を日本からアクセスし取得しているとのこと。「今やZoomなどのオンライン会議で互いに顔を見ながら会話ができ、その場で即座に資料の共有や同じドキュメントを編集できる環境もある。国を跨いで出来る事が関東と関東圏外だから出来ないということは無い」、とテクノロジーの力で物理的な距離を乗り越えて、自由に働ける可能性を示しました。 地方だから成功しないはなく、誰と連携し何を見ていくかが重要 本イベントで至った結論としては、スタートアップ経営者、投資家、支援者、三者の視点で見ても関東圏外でスタートアップがグロースしていくことは今の時代大きく乗り越えられない障壁ではないということ 一方、シード期として非常に重要なタイミングでその資金を何に使うか、成功に向けて同じ志持った企業と連携していけるかは大切な時期だからこそ慎重に判断すべきであることが改めて明確になりました。特にPMFに向けたプロダクトのデータ分析は自社だけで完結できるケースもありますが、時に必要なツールでスピードや仮説検証精度を上げることも重要であると改めて考えさせられるものがありました。   イベントを通じてこれからも情報発信の機会や、直接皆様と意見を交換する場を設けていく予定ですので、是非次回はより多くの方に気軽に参加頂き、その中からスタートアップが立ち上がることを期待して引き続き活動を続けていきます。   動画:主催者たちからのメッセージ   Author Information: