【 engawa young academy 】 メンターインタビュー 電通篇

#インタビュー

2020年10月より、engawa KYOTOにて始まった多業種合同インターンプログラムengawa young academy 2020(以下、eya)。参加企業のメンターの皆様から、eyaに参加されての感想や参加された理由、また学生に知ってほしい企業の新たな一面などを伝えるために、各社インタビューを行います。第4回目は、電通の湊さん、説田さんにお話を伺いました。

 

写真右)株式会社電通 京都ビジネスアクセラレーションセンター 湊 康明さん
写真左)株式会社電通 中部ビジネスプロデュース局 説田 佳奈子さん
所属は、取材:2020年12月当時のものです。

 

*第1回 NTT西日本篇はこちら
*第2回 ヤマトホールディングス篇はこちら
*第3回 積水ハウス篇はこちら

 

インタビュアー眞竹(以下、眞竹):この取材のインタビューまでに、初日、2日目を終えたところですが、ここまでの率直な感想をいただけますか? 

湊さん:学生の皆さんと、上下関係なくフラットに接することがいい意味で緊張感がありました。真剣勝負な感じで楽しかったですが、思った以上に大変でした(笑)

説田さん:学生全員が、個性と勢いに溢れていて、圧倒されました。特に初日の自己紹介が、みんな初めましてとは思えないほど盛り上がって。わたし大学生の方とお話する機会たくさんありますが、群を抜いてコミュニケーション力が高いと感じました。関西という土地柄、絶対にあると思います。

眞竹:湊さん、「疲れました(笑)」とのことですが、一番疲れたプログラムはなんですか?

湊さん:メンタードラフト会議ですね、やっぱり。めちゃめちゃ緊張しました。ただ、個人的には会社の名前を背負わず、一個人として学生の皆さんに「自分の生き方とか、なぜここに参加しているのか?プログラムを通じて何を伝えたいのか?」といった事をお話しできる機会って貴重だなと思いますし、ありがたかったです。それに、企業側もプレッシャー感じてプレゼンしないと、学生とフラットな関係じゃないですしね。それが1日目にある事が、eyaのプログラム全体を引き締めているなと感じました。

眞竹:このeyaを通じて学生に伝えたいことをプレゼンされたとのことですが、メンタープレゼンで語った内容をご紹介いただけますか?

湊さん:私は学生時代に会社を起こした経験があるのですが、「学生がそういうことをやって…」みたいな扱いをされて、嫌な思いをしたことがありました。今や「学生の間に起業とかチャレンジしない方が損している」といった流れも生まれていて、学生の力ってすごくあるなと感じています。「学生の価値を大人に伝えたい、そのために僕は学生と関わりたいと思っている」というスタンスを伝えたいと思ったところがまず一つです。それともう一つ、とても大事な、ファーストキャリアを決めるタイミングにあるときに、企業を選択肢としてどう捉えればいいのか、など、学生が情報を幅広く持って選択できる状態を作ることがとても大事だと考えているので、そのサポートをするためにいるんです、といったことを伝えたいと思って臨みました。

眞竹:企業が学生を選ぶだけではなく、学生も企業も選ぶ、選ばれる関係性というのは、このeyaでも大事な思想の一つです。湊さんがメッセージとして伝えていただけたことは、事務局としてもありがたいです。では、2日目は学生同士のディベートが大きなプログラムだったのですが、こちらについてはいかがだったでしょうか?

湊さん:個人的な思いとしては、ディベートでのアウトプットを想像して、事前準備としてインプットしていくというワークが学生のためになっていればうれしいと思います。おそらく、お題に対する立場のどちらも正解とも捉えられるディベートばかりでしたが、そういったテーマはある種、強制的に負荷をかけないと取り組まないし、深く考える学びにならないので。自分なりの課題を持つことが必要になってくるこれからの時代においてとても意味のあるワークだと思いました。

眞竹:ディベートのお題は参加されたメンターの皆さんから集めましたが、お題はどのように考えられたのですか?

湊さん:手前味噌にはなるんですけど、説田と私で考えたお題は良かったと思います。例えば、卵子がテーマのお題を出したのですが、そもそも卵子にまつわる現状を知らないといけないのが前提で、その先にある議論の論点まで調べて考えて、初めてディベートへ臨めるお題を意識しました。他のお題でも、調べて考えていくと例えばダイバーシティーとか、エコロジーの話などにたどり着くテーマを考えました。一つの入り口から入って勉強して、勉強すると次の課題が見えてその課題が議論の論点になっている、といった構成で問題を出したつもりです。ディベートの途中で知識的な面は言い尽くした後に、そこから先どう考えたかとか、どう説得力があるかを試されるプログラムだと思うので、そこまで考えてくれた学生は二重マルだし、そういうものだと気付いてもらえたらマルかなと思います。

眞竹:学生への事後アンケートのコメントからも、ディベートの事前ワークに課題を感じた人、ディベートでの説得力に課題を感じた人など、それぞれ感じるところがあったことがうかがえましたね。では、ここからは御社の企業イメージについてお聞きしたいと思います。率直に、御社は今、学生からどういう企業イメージを持たれていると思いますか?

湊さん:TVCMを作っている会社、もしくは、オリンピックに関わっている会社。もしくは、名前は聞くけど何をしているかわからない会社、というイメージなのではないでしょうか?広告会社というけれども、そもそもBtoBサービスの会社なので、そこまで、作業実態に関するイメージはないのが実態かな、と思います。

眞竹:では、御社の実際の姿を知らない学生へ、実はこんな企業なんです、こんなことしてるんです、という、知られてないけど伝えたいこと、紹介して頂けますか? 

湊さん:基本的には広告会社なので、クライアントの「プロモーション課題」に対して、「アイデア」と「実行力」をもって課題解決する作業がメインストリームである事は変わりません。代表的には、それがTVCMの制作であったり、ポスターの制作であったり、イベントのスポンサーセールスであったり、などなどです。一方で、その「アイデア」を生み出す力は、実はプロモーション以外の課題にも使えるのではないか?という事で生まれた組織が、電通ビジネスデザインスクエアや京都ビジネスアクセラレーションセンターといった組織です。これらの部署では、お客様の経営課題、たとえば、インナーの活性、また、新規事業開発などに向けて、コンサルティングや実行支援を行っているという部署になります。また、「実行力」の部分。電通には日本全国数千社というクライアントがいらっしゃいます。という事は、日本にある多くのビジネス領域のトップランナーのクライアント同士を繋ぐことができるのです。つまり、夢みたいな「アイデア」をクライアントと一緒に考え、実現していく「実行力」を兼ね備えたコンサルティングファームという、稀有なポジションの会社じゃないかと思いますし、近年、そういった事例が、かなり増えてきていると感じています。

説田さん:弊社の採用HP※をご覧いただけると分かると思うのですが、学生に向けては「電通をつかえ」というメッセージを発信しています。過去からの変遷でいうと「ヒトノココロヲウゴカスシゴトナンデモアリ」「答えがないから電通がある」「電通がつくるのは、前例のない未来だ」「電通を使え」とメッセージを展開してきているのですが、まさに弊社が、「広告コミュニケーションを設計する会社」から「新しいコトを生み出していくコンサルティングの会社」に変遷し、自らもリスクを取って事業開発にコミットしていこうという意思が見えると思います。
※電通2022年度採用HP
https://www.career.dentsu.jp/recruit/2022/

眞竹:では、そういった新しい取り組みについて、何か具体的な事例などはありますでしょうか? 

湊さん: 例えば事業開発の事例でいうと、電通のメディアとコミュニティサロン、クラウドファンディングの3つの機能が融合したプラットフォーム「THE KYOTO」※や、スポーツテックに特化した事業創出を促進するアクセラレーションプログラム「SPORTS TECH TOKYO」※などがあげられます。 僕自身も、NPO法人のエンカレッジと共同で「47INTERNSHIP」※というイベントを行っています。
※「THE KYOTO」
https://www.career.dentsu.jp/recruit/2022/project/5.html
※「SPORTS TECH TOKYO」
https://www.career.dentsu.jp/recruit/2022/project/2.html

 


※「47 INTERNSHIP」
https://47-internship.en-courage.net/

 

眞竹:湊さんがやられている「47 INTERNSHIP」は、どのような取り組みなんですか? 

湊さん:きっかけは、エンカレッジとの会話の中で「コロナが起こったからこそ何かできないか」という議論が始まりでした。電通としても、私自身も、学生の就活に関わっている立場としてもやりたいと思いました。就活生の思い、またエンカレッジが全国の大学にネットワークがある強みから考えたときに、地方学生に今だからこそ光をあてるのがいいんじゃないか、という話になり、47都道府県から学生1名ずつ参加するインターンシップを企画しました。お題はあえて、新規事業を作ろうではなく、アフターコロナ、ウィズコロナに向けて企業としての振る舞いや、今やるべきアクションを学生目線で考えよう、と設定しました。事業じゃなくても、人事施策でも、総務でも、CSRでも、あえてフリーにして考えてもらったのも、面白い取り組みだったなと思います。

眞竹:湊さんが、電通での業務を通じて学生の就活に関わられているきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

湊さん:それは、私が所属している「電通若者研究部」での取り組みがきっかけですね。同じくメンターの説田も所属しています。

説田さん:「電通若者研究部(以下、電通 ワカモン)」※は電通の中にある社内横断組織で、東阪名の各社合わせて約20名のメンバーが所属しています。主に大学生の行動や意識を研究している組織で、大きくやっている事は2つです。一つはリサーチで、定量・定性データを収集・分析しています。もう一つはそこから得られたデータや発見に基づいたプランニングです。クライアントが抱える課題に対して、コミュニケーション開発だけではなく、若者向け商品の開発など幅広く活動しています。
※「電通若者研究部(電通ワカモン)」
https://dentsu-wakamon.com/

眞竹:「電通ワカモン」の活動について、具体例を教えていただけますか?

説田さん:たとえば、若者と企業のβ版共創プロジェクト「βutterfly(バタフライ)」※があります。現役の大学生と社会人が所属し、月1回のワークショップやフィールドワーク、コンセプト開発、アイデア共創ハッカソンなど、企業と様々な共同プロジェクトを実施していて、もう5年以上続いています。
※βutterfly(バタフライ)
https://butterflybutterfly.jp/

湊さん:電通をクライアントとして「アイデア実現インターンシップ」※の企画・運営も行なっていて、私と説田、共に参加しています。

説田さん:電通は「アイデア」と「実行力」の会社と言われますが、このインターンはまさに「実行力」を鍛えるインターンです。自分が感じている「ほうっておけない事」を解決するためのアイデアを策定し、クラウドファンディングを通じて世の中にプロジェクトを仕掛けていくというものです。今年は12名の学生に参加いただき、見事12名ともプロジェクトを成功しています。なかには、スタートアップのコンテントで入賞したり、各種メディアに取り上げられているプロジェクトもあり、プロ顔負けだなという印象です。この体験が、自分の思いを世の中に問いかけていくという行為の原体験になればと思っていますし、頭で考えるだけでなく、それを実行する力を持っている人が弊社に興味を持ってくれればと思っております。

※「電通ワカモン  アイデア実現インターンシップ」
https://camp-fire.jp/channels/dentsu-wakamon

眞竹:これはどのようなきっかけで生まれたインターンなんですか?

説田さん:電通ワカモンで2015年から電通のサマーインターンシップのうち一つをプロデュースしているのですが、「アイデア実現インターンシップ」プログラムは2019年から立ち上げ、今年が2年目になっています。きっかけは、電通の事業領域が広告やイベントからビジネスプロデュースのほうに広がっていったということが大きく、人事担当者から電通ワカモンがプロデュースするインターンを通じて将来のビジネスプロデューサーとなりうる人材にアプローチしたい、という話があったからです。

眞竹:参加した学生は、どんなアイデアをクラウドファウンディングで実現したのですか?

説田さん:今年のプロジェクトで【卒アル上書きプロジェクト】というのがあります。卒業アルバムの写真を自分らしく撮りなおそうよ、というプロジェクトです。メイクや洋服、ポーズも含めて自分らしさを残すのが卒業写真であるべきだ、という視点が共感を呼んで、メディアから取材も受けていました。昨年では、フードロス視点からの【“大人”なバナナプロジェクト】がありました。「バナナって、茶色くなったら買われなくなるけど、実は食べられるよね」というところに着目したもので、ちょうどフードロスも社会課題で注目されていた時期で、こちらもメディア露出がありました。他にも、著名人がSNSでとりあげられたプロジェクトもありました。

 


「アイデア実現インターンシップ2020」での様々なプロジェクト

 

眞竹:これからの御社が志向する「アイデア」×「実行力」を実践するインターンシップなんですね。

説田さん:この体験を通じて、自分の思いを世の中に問いかけていくという行為の原体験になればと思っていますし、頭で考えるだけでなく、考えたことを実際に実行していく力を持っている人材が弊社に興味を持ってくれればと思っています。

眞竹:そういったインターンも実施されている中で、御社がeyaに参加されたその理由、意義、メリットなどを教えてください。

湊さん:依然、広告会社というイメージが強い。もしくはそもそも何をしているかわからない会社で、ビジネス創出のコンサルティングと実行支援を行っている会社というイメージはないと思います。だからこそ、参加している学生に一瞬でも視点を変えて弊社を捉えてみてもらえれば、かなり面白い会社に見えてくるのではないか、手前味噌ながら思っています。

眞竹:では、個人としての意義、メリットなどはいかがでしょう?

湊さん:僕の中では、シンプルに自己実現なんです。「学校つくりたい」という夢があるので、その練習じゃないですけど(笑)。学生にビジネスの事だったり、ファイナンスの事だったりを教えたいという思いがあって、学生がこれから人生を生きていく上で「幸せへの障害となるハードル」を減らしていけるような学習ができる機会を提供したいと思っているので。

説田さん:わたしにとっては、完全にインプットの場になっています。学生のみなさんと話すことで、自分の考えを振り返ることができ、内省につながっています。

眞竹:異業種による人材育成への取り組みとして、eyaはどのような効果、刺激を期待されますか?

湊さん:シンプルに面白いですね。各社の先端事例も勉強させていただけますし、理想的にはこの場から生まれるサービスや、ビジネスがリアルにできれば!なんて思っています。各社、学生に貢献したい、という利害関係のないところで、同じ時間を過ごさせていただくところも意義深い部分があると思っています。むしろ、こういう所からの方が、仕事って生まれるのでは、とも思います。

説田さん:湊さんに同じくです。「人づくりからの共創」というコンセプトにのっかり、わたし自身も成長できたら・・・と下心をもっています!

 


オンライン取材の様子
左)インタビュアー: 電通 京都BAC engawa young academy 事務局 眞竹 広嗣

 

眞竹:ご自身の学生時代、就職活動と比べて、現在の学生はどう映りますか?

湊さん:様々な情報にアクセスしやすく、正解っぽいものがあふれかえっている世の中だからこそ、自分の意志や、行動が問われるシビアな世の中になっているのではないか、と思います。コロナも相まって、自分の意志を持ち行動をする人と、右往左往する人の二極化が進む気がしていて、チャンスはふんだんにある一方で、自分自身への甘えが許されない厳しい世の中になってきたなと感じています。

眞竹:eyaの学生たちと接して、感じたこと、期待することはどんなことでしょう?

説田さん:自分の強みを改めて把握する場にしてもらいたいと思っています。学生みんな強みが違っているので、本当に忙しい人たちが集まっていますが、「効率よく進めるためにはどうすればいいだろう」というところから試行錯誤を繰り返し、たくさん考える時間を取ってもらいたいなと思っています。

湊さん:接していて感じた事は、「みんないいやつ」「自分で考えて行動してきている」「頼もしい」という印象です。上記のような背景がある世の中で、大学生の3年生までに独自の視点で考え行動してきている、という事は何者にも代えがたい経験ですし、それがいまの彼らを構成しているんだろうなと思います。一方で、まだまだ人生は長いという事もありますので、異なる強みを持つメンバーが集まる空間の中で、一度自分の中の価値観をスクラップ&ビルドできると良いのだと思います。

眞竹:では最後に、メンターとしてeyaの学生たちに伝えたいことを教えてください。

湊さん:僕が伝えたい事は「未来をイメージする力」です。僕は、学生の時、なぜ自分が勉強や研究をしているのか、わからなくなっちゃったのでそれってとっても悲しいコトだなと思っていて。でも、いま自分がやっている事に意義付けができたら、学生生活がもっと頑張れるし、もっと楽しくなると思うのです。どうやってそれをするのさ?と声が聞こえてきそうですが、これはとっても簡単で、学生の常識と社会人の常識の差を知る事だと思っています。例えば、「よく使う言語の違い、見ている視点の違い、何が価値でありお金になるのか」などですね。そこに、物事を調べていくための「きっかけとなる事例のインプット」ができればあとは、きっと自走していくはずだと考えています。ですので、メンターという立場からは、「こういった未来をイメージする」ための「材料」をたくさん提供できればな!と思っています!

 

 

 

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2020年10月〜2021年1月より、engawaKYOTOオンラインにて行われた多業種合同インターンプログラムengawa young academy 2020(以下、eya)。終了後の2月、参加学生を代表して、Day4:イノベーションアイデアプレゼンテーションで優勝したチームのメンバーにインタビューさせてもらいました。   写真上段左から)菊地さん、倉森さん、齋藤さん 中段左から)鎌田さん、井元さん、前川さん 真下段)電通 京都BAC engawa young academy 事務局 眞竹 広嗣 取材:2021年2月に実施 関西からの参加学生が多い中で、井元さんは福岡からの参加、また菊地さんは芸術系大学といった、強みや環境も多様なグループのメンバーと過ごした3ヶ月について、語ってくれました。 眞竹:みなさん、3ヶ月間、ありがとうございました!まずは率直に、eyaを終えての感想を聞かせてください。 コロナ禍の学生で、誰よりも刺激を受けた3ヶ月 鎌田さん: コロナ禍の学生で、誰よりも刺激を受けた3か月間だったと思います。プログラムは月に1度の開催でしたが、ほぼ毎日のようにオンライン上で集まり作業していた為、常に頭の片隅にエンガワがありました。チームとして最後のプレゼンで勝つ、という目標を立てたのですが、プレゼン日から逆算してスケジュール管理して、円滑に進められていたと思っています。プログラムの間の1ヶ月、プライベートで遊ぶ時も頭の片隅には「あと2週間で次のプログラムか」みたいな事とかを考えているのが、ある意味社会人になった感じで、印象深かったですね。でも、一緒に活動しているメンバーの質の高さもあって、他のレポートとかの課題とかに比べたら全然ストレスって感じないっていうのはありますね。自分1人じゃないので、チームとして活動しているっていうのは心強かったです。   ベクトルの違うチームメンバーとの長期間のワーク 齋藤さん: 楽しかったです。3ヶ月という期間で、チームで何かに取り組むというのが初体験だったこと、今まで出会ったことない人と一緒にワークできる機会っていうのも新鮮だったこと、チームとめちゃくちゃ仲良くなれたことが、楽しさに直結していました。各プログラムにおいてCチームは努力もした上で結果にもつながって、チームで嬉しさを共有できた思いが強くて、それも仲良くなれたことの大きな要因だったかなと思います。実は僕自身、参加する時すごく不安があって。参加者はみんな何かの団体の代表だったり、活動してる人が多かったので、僕自身どういう風に立ち回ったらいいのかなって不安はあったんですけど、終わってみて思ったのは、結構ベクトルは違うけれどそれぞれいいところがあって、そのお互いが持っていないことを最終的に共有できたことも、今回楽しかった要因の1つになったかなと感じています。   周りに圧倒されたけど、めちゃくちゃ楽しかった! 菊地さん: 率直に、めちゃくちゃ楽しかったです!正直、周りのみんなに圧倒されて打ちのめされることも多かったんですが、そのぶん毎回気づきと学びがあり、分厚いノート一冊が埋まるほど濃くタメになる内容ばかりでした。なかなか自分の軸や将来について熱く語れる友人がいなかった私にとって、今回のメンバーのような仲間と出会えたことは一生モノの財産だと思っています。 眞竹:みんな、大変だったと思いますが、「楽しかった」という声が聞けて事務局としても嬉しいです。では、Day1〜Day5の中で、一番印象に残っているプログラムと、その理由を教えてもらえますか?   共に過ごしたメンバーからのアドバイスで仲間を実感 倉森さん: Day5【アドバイススクランブル】です。チームのみんなから誉め言葉も、今後に役立つアドバイスももらって、本当に仲間だったなと実感する時間でした。互いに興味をもって接していないと、相手の直すべき点など、考えつかないと思います。例えば、私がもらったアドバイスで、もっと自分を出してほしかったっていう意見が出てきて。eyaと違ういつものコミュニティでは、自分の意見がそのまま通ってしまうところがあって、今回は自分が意見を出すとしても、もっとみんなで考えた後に答えを出したいっていう気持ちがすごくありました。なので、あまりチームの方向性を決めるような発言っていうのはしないまま終わりました。でも、それを抑えてるうちに私らしさみたいなものがみんなに伝わらないコミュニケーションになってしまっていたかなと思って。eyaでの自分らしさの発信の仕方と周りの受け取られ方が違うっていうところに気づきました。今後何かチームとか組織でするときは私らしさっていうものを捨てないままみんなの意見ももっと活発にできるような別のやり方っていうのを模索する必要があるなと学びました。   バックキャスト思考で、自分の研究も変わってきた 前川さん: Day3【未来創造スピーチ「10年後のあるべき姿」】が、特に印象が強いです。バックキャスト思考を体験できたこと、プレゼンの難しさとやりがいを学べたことが、大きな理由です。バックキャスト思考は初体験でしたが、突拍子もなさそうな未来を考える楽しさや、未来を考える上でのビジネス視点を知ることができ、以前とは違う考え方ができるようになった、有意義な経験でした。実はこの経験で、僕が進めている研究に対する切り口が、大きく変わりました。これまで目先の、今ある壁に向かって実験をどんどん重ねていくようなアプローチが多かったんですけども、大胆な発想を一回立ててみて、最終的にこの研究をこういうところに持っていきたいっていう、最終的な像を改めておいてみて、「そこに向かって必要な実験って何だろう」っていうところからと捉え直して、今までとはかなり分野の異なる実験手法にもチャレンジしたりしています。   実際の企業アセットを使ったプレゼンでの議論の深まり 井元さん: Day4【イノベーションアイデア・プレゼン】です。実際に「企業アセット」を使う必要があり、初めて行う思考や議論が多かったからです。分かっていたつもりだったけれど、短期のインターンでやる事業立案ワークとは違い、自分が企業に入ってからビジネスアイデアを詰め切って実行していくのは本当に大変なんだろうなと感じました。自分が今までインターンとかで経験した事業立案だと、どういうドメイン設定だと自分たちは入りやすいのか、伸びやすいのかとか、市場規模、競合出しなど、そういうところまでしかしてなかったんですけど、eyaだとそこの解像度がすごい上がって、「この企業ってどんなアセットがあるんだろう」というのを、企業ごとにしっかり出して、そこに対して自分たちの「理想の10年後」と照らし合わせた時に、このアセットをこういう風に使えるかもねっていうような、現実に近い議論ができたところが違ったなと思います。   Day4【イノベーションアイデア・プレゼン】のスライドから抜粋。理想の社会を描き、日本の状況、また事業アイデアに対する技術の現状把握を踏まえて、企業のアセットを活用してのビジネスモデルと、ストーリーの中に説得力のあるプレゼンテーションでした。 眞竹:今、井元さんが、eyaと他のインターンシッププログラムの違いについて感じたところを話してくれましたが、他の皆さん、いかがでしたか?    アイデアを冒険できる時間があった。 齋藤さん: プログラムの期間が長く、アイデアの「実現性」に肉付けする時間が十分にあるので、アイデアの「新規性」においても冒険できるという楽しさがあると思いました。他に参加したインターンシップで3日間のプログラムがあったんですけど、新規性と実現性の二軸があるなかでも、実現性がないと企業から評価されない、ということがありました。eyaのプログラムの中で、アイデアをジャンプさせてから着地させるのが大事だ、という話がありましたが、3日間だとこの距離がたぶん短いんです。engawaはそれが2カ月間あったんで、ジャンプの距離がおのずと高くなって、ぶっ飛んだことを思いついてもそれを実現として落とし込めるっていう時間があるっていう意味で、冒険できたなっていうことがありましたね。   参加しているメンバーの多様性 前川さん: 社会人、学生共に、関わる人の多様性が、他のインターンシップと大きく異なると感じました。通常の単独企業開催のインターンシップでは、学生の雰囲気や専攻分野はある程度似通ってくるのかなと思いますが、eyaに集まった学生は皆異なる背景を持っていて、性格や興味の向きどころが全然違う。例えば、倉森さんは様々な活動をされていて、その中で適切なところで適切なタイミングで適切な言葉を置いていくみたいな、動き方ができていて、普段の僕の周りだと何か一つのことに取り組んでる人がすごく多いので、そういう風にいろんなところに首を突っ込みながらもそれぞれの所で活躍できているっていうのはなかなか出会わないタイプでしたし、これまでなかった視点の考え方を知ることができ、視野が広がりました。 眞竹:eyaではDay1「メンタードラフト」で、自分たちのチームのメンターを選ぶ、というプログラムも一つの特徴と考えていますが、その仕組みについてはどう思いましたか? チームで決めたメンターだから 倉森さん: 自分たちが不安な時も、「チームみんなで決めた方だから」と素直に頼ることができました。選ぶ時に考えたのは、「この3カ月だけじゃない繋がりを持っていただける」って思ったことと、「今まで違うものを経験した俺が教えます」じゃなくて、「みんなが考えているものが最大限に魅力的に見えるように調整役として支えるよ」という姿勢に惹かれました。また、日が経つにつれて、メンターさんの色が、各チームの特色に反映されていて、他のチームへの興味が深まるとともに、自チームへの愛着がわきました。   学生と社会人が、公平な立場に 齋藤さん: 最初にメンターを自分で選ぶっていう段階で、学生と社会人が公平な立場にある、という概念を下支えしていると感じていて、実際にがメンターと話していくうちに、今まであった社会人の中で一番親身に接してくれたというか、例えたらサークルの先輩くらいの距離間で結構助言をしてくださっていて。距離間も他のインターンシップよりも圧倒的に近かったので、このシステムはすごい僕はいいなと思いました。   初日から問われた、観察力 鎌田さん: 正直、監督選びをしているような感覚で楽しかったです。これからの3か月間を左右するとも言える決断を初日の初っ端から迫られた為、全員が引き締まり慎重な面持ちになったのを覚えています。誰が一番自分達のチームの特色に適応できるかを様々な視点を持って話し合うのと同時に、短時間で見極めなければいけないので観察力が問われていたのも高揚感を得ました。(笑) 眞竹:「複数の企業と長期間かかわれる」、という座組みはどうでしたか?   3ヶ月だからこそ感じられた、会社ごとの雰囲気 菊地さん: 正直会社説明会や短期インターンだと色々と繕う事ができると思いますが、学生側もメンター側も3ヶ月の長丁場で、素の部分などが垣間見えてきて、最終的にはメンターの個性も色濃く出て、会社ごとの雰囲気の違いを感じる事が出来てよかったです。例えば、プレゼン資料を作るときにフォントを全部揃えて、だとか、使う文型とか配色とかそういうところまで1枚1枚見てくださって、そういうところまでこだわってもいい会社なんだとか、他のチームだとプレゼンに劇が入っていて、飽きない演出を加える面白さなど、そのチームならではかな、とか思いましたね。またフィードバックに関しても、企業によって評価基準が様々で、この業界の方はこういうところに着目するんだ〜、と各社の考えや大切にしていることの違いを知る事ができて面白かったです。 イメージががらりと変わった企業があった 前川さん: 視野が広がるという点で、良かったと感じています。Day3【リーダー/イノベーター見本市】など、通常の会社説明会だけでは知ることができない、企業の最新の取り組みを知ることができる企画があり、イメージが参加前とがらりと変わった企業もありました。例えば、一度、ベンチャー行かれてから戻ってこられたっていうお話もあり、入ってからいろんな道があって、どの企業でも未来に向けて様々な取り組みをされているし、その人材育成に向けた取り組みがされているんだなっていうところで、印象が変わりました。 眞竹:ありがとうございます。では、ご自身のことについて聞きたいのですが、プログラムの前と後、自分が変わったなと感じる点があれば、教えてください。   自分という人間を客観視できた 齋藤さん: Day5【アドバイススクランブル】での、お互いを知った上でもらうアドバイスの内容によって、自分という人間の客観視をすることができるようになりました。例えば、発想力あるよ、とか、意外と論理性もあるとか。ほんまに知らなかったわっていう話でしたね、僕自身が。それはプログラムを通してみんなに感じてもらったことだから、それは僕の強みやなということを認識した時に、僕も負けてないんだな、社会人になることに対して前向きにいけるんだなっていうのが、僕が感じたことですね。   目指したいリーダー像を、日々の取り組みへ 井元さん: 自分が目指したいと思えるリーダーシップが見つかったので、今いる環境でそれを実践した先に、1年後どんな風に周囲や組織にインパクトを与えられているか考えると、楽しみな気持ちが大きいです。自分が目指したいのは「やり切る力を持ったリーダー」なのですが、例えば、今いるインターン先で考えたときに、eyaの後の1ヶ月で取り組んだのは、誰よりも論の部分を詰めて、誰から相談されても的確にこうなっているよね、こういうデータがあるからこうだよね、というのをしっかり答えられるようにアクションが変わったかなって思います。Day2【教養ディベート】で、他のメンバーに比べて情報収集・整理が甘く、悔しい思いをしたところもきっかけでした。また、Day3、4でのプレゼンへ向けてのチームでのワークを通じて、意見や視点の違いを許容し、自分の思考をいったん置いて相手の話を聞くことができるようになり、意見やイメージを深く理解するようになったことも感じています。   日々の思考で「ひねくれさ」が増した 鎌田さん: 良質な「ひねくれさ」が増したと思います。日常生活の小さなものから世間でトレンドになっているようなものまで、自分の中での軸をしっかりと持った上でひたすらWHYを追求するようになりました。例えば何で信号って赤青黄色の3色なのだろかという素朴な疑問を抱き納得いくまで調べたり、Clubhouseもやらずに批判するより、とりあえずやってみて自分なりにメリット・デメリットを整理して流行した仕組みについて考えてみたりと、確実にプログラム前では意識していなかったことを自然と思考している自分がいます。自分にとって大きな成果で、1日1日の充実感も上がったと思います。 眞竹:新しい自分への発見があったり、日々の行動や視点が変わったり、事務局としてもとてもうれしいですね。他の皆さん、はどうですか?eyaを通じて、得られたこと、学んだことを教えてください。   チームで共創することの難しさとやりがい 前川さん: アイデアの生み出し方やそれを実現する為のビジネス的視点など、イノベーションを起こすために必要な多くの知識と経験を、課題に取り組むことやたくさんの社会人の方々と関わる中で得ることが出来ました。個人的には何よりチームで共創することの難しさや、やりがいについて学べたことが貴重な体験でした。僕は大学でオーケストラのコンサートマスターをしていたのですが、オーケストラのように一つの目標に向かって動いているメンバーと違って、eyaではメンバーそれぞれの事情やモチベーションが様々であったために、思ったように進捗できないところもありました。それでもチームの理想像を共有し、相手のことを思いやりながら柔軟に仕事を分担し合うことで、よりよいアウトプットにつなげられた時には、かけがえのない喜びを感じました。この体験と絆は、これから社会人になってからの財産になると思います。   状況に応じて、自分の強みを使い分ける 菊地さん: 視野が広くなり、処理能力が格段にUPしました。ひとつひとつの事を丁寧にするのが自分の個性だと思っていましたが、ビジネスの場においては無駄な工程も多いことに気づかされました。もちろん、無駄が活きることもあるのですが、実際のこういった場面ではどう効率化して、タスクをこなしていくのかも重要な場合もあると学びました。状況に応じて自分の強みを使いこなせるようになればどんな環境でも適応していける、とポジティブに次へ繋げています。ちょうどeyaが終わった後に、別のインターンに参加したのですが、eyaに挑む前の自分と、終わってからの自分のスタートラインが違っていて。「じゃあ、議事録とっていくんで」って、場を回せている自分がいて驚きました。   自分の発言が、誰かの学びや気づきになれる 倉森さん: eyaに参加する前、組織とかチームに対して、自分の発言の影響力みたいなものに少し怖さみたいなのを感じてて、そういうことに否定的になってたんですけど、eyaでもっと知りたいって思ってくれる仲間がいて、正しいか正しくないかじゃなくて、あなたはどうなの?っていう聞き方をしてくれる同世代がいるっていうのは、すごく自分の安心感になりました。これからは、自分が思ったことをこれがいいと思うっていう言い方じゃなくて、私はこうしたいな、私だったらこういう選択肢を選ぶかなっていう伝え方をするだけで、お互いにこんなにも当たり前が違って、そんな考えあったの?という、誰かの学びとか気付きとかになれるんだなっていうところは、すごく自分の自信に繋がったというか、頭でじゃなくてきちんと心と肌で感じられたなって思います。 眞竹:では最後に、次回参加される学生の皆さんに一言、メッセージをお願いします!   等身大でぶつかっても受け止めてくれる仲間がいる 菊地さん: はじめましての人たちと関係を築きながら共に何かを創り上げるのは簡単なことではないと思います。普段自分が関わることのないような人たちと出会い、様々な経験やバックグラウンドのある人たちと自分を比べてしまって、「自分って何なんだろう?何ができるんだろう?もはや何者?」と自問自答することもありましたが、自分を見つめ直すには絶好の機会でした。等身大で言いたいことをぶつけて悩んでも、しっかり向き合って受け止めてくれる仲間がいる素敵なコミュニティです。とことん使い倒して活用して欲しいなって思います。   これからあの時間を過ごせるのが羨ましい!! 鎌田さん: 各プログラムに対して約1か月間の準備期間を与えられますが、体感では本当にあっという間です。徹底的にスケジュール管理することを強く勧めます。(日程管理係を設けるなど)ちなみに私達のチームはDAY3からDAY4の最後の期間でやっと予定通り作業を遂行して余裕を持つことが出来ました。(笑)これからあの時間を過ごせるのが羨ましくてたまりません!応援しています!!!  

#インタビュー

【 engawa young academy 】 メンターインタビュー   積水ハウス篇

2020年10月より、engawa KYOTOにて始まった多業種合同インターンプログラムengawa young academy 2020(以下、eya)。参加企業のメンターの皆様から、eyaに参加されての感想や参加された理由、また学生に知ってほしい企業の新たな一面などを伝えるために、各社インタビューを行います。第3回目は、積水ハウスの岡本さん、大野さんにお話を伺いました。   写真右)積水ハウス株式会社 開発事業部 岡本 勇治さん 写真左)積水ハウス株式会社 人事部 大野 隆正さん 所属は、取材:2020年12月当時のものです。   *第1回 NTT西日本篇は こちら *第2回 ヤマトホールディングス篇は こちら   インタビュアー眞竹(以下、眞竹) :初日、2日目を終えての率直な感想を教えて頂けますか?岡本さん、いかがでしょう?  岡本さん :オンラインという環境なのですが、意外に学生側がその状況に順応しており、我々社会人よりもそういった環境に馴染む感度がかなり高いと感じました。 眞竹 :岡本さんには初日、メンタードラフト※にご参加頂きました。 ※メンターが企業名を隠して、学生に対して自己紹介プレゼン。学生が希望するメンターを指名するプログラム  岡本さん :僕は、「自分の人生でこんなこと考えてきました。こういうところで決断しました」と言った話を軸に話したんですが、最初に名前を読み上げられた時の安堵感は相当でしたね。 眞竹 :メンタードラフトの後、学生から質問がありましたが、印象的な質問はありましたか? 岡本さん :「失敗したことは、どう乗り越えたのか?」といった質問が印象的でしたね。僕は「失敗したことは、覚えていません」という話をしました。結構すぐ忘れることと、石橋を叩いてしっかり準備するタイプなので、大きな失敗というのはしていなくて。それよりも「失敗した後にアドバイスされたことの方が覚えている」ということを答えました。 眞竹 :ありがとうございます。大野さんは、2日目のディベートにご参加いただきましたが、これまでの感想はいかがでしょう? 大野さん :良い意味で個性の強い面白い学生さんが多く参加されているなと思いました。それぞれが自分の意見をしっかり持っていて、それをきちんと仲間に伝えることができる芯の強い人たちだなと感じました。ディベートを通して学生に感じたことは、やっぱり真面目ですよね。良く調べているな、と感心しました。正直、うんうんって聞きながら私の知らないことがいっぱい出てきました。 眞竹 :学生のみなさん、よく調べてきていましたよね。知らないことが多く出てきたのは、私も同じです。ではここから、御社のことについてお伺いしていきます。御社は今、学生からどういう企業イメージを持たれていると思いますか? 大野さん :おそらく、戸建住宅を国内で建築している会社というイメージを持っているのではないかと思います。 岡本さん :堅い、古い企業だと思われているのでは。実際、私が転職してくるまではそういうイメージで私自身も思っていましたので。 眞竹 :では、御社の実際の姿を知らない学生へ、実はこんな企業なんです、こんなことしているんです、という、知られてないけど伝えたいこと、紹介して頂けますか? 大野さん :実は戸建住宅は、売り上げのうち16.2%しかないんです。現在では、請負型・ストック型・開発型の3つのビジネスモデルを国内だけでなく、海外でも幅広く展開をしています。 眞竹 :16.2%という数字、今回のeyaの企業紹介の時に話されたのを聞いて、驚きました。   積水ハウスグループにおける2019年度の売上構成比   大野さん :みなさん、意外に思われますよね。当社は「『わが家』を世界一幸せな場所にする」をグローバルビジョン※に掲げ、国内にとどまらず、ハード・ソフト・サービスを融合し、幸せをお客様に提案するグローバル企業を目指しています。 ※積水ハウスのグローバルビジョン及び成長戦略について https://www.sekisuihouse.co.jp/company/financial/individual/growth/   眞竹 :そのようなビジョンの中で、御社が新たに取り組んでいる、また取り組もうとしている新しい事業を教えてください。 大野さん :住まいの事業モデルを大きく変える「プラットフォームハウス構想」※というものがあります。最も人生に寄り添う存在である「家」を人生の変化に呼応させるもので、「健康・つながり・学び」のサービスから住まい手の「幸せ」をアシストする家を創造するというものです。 ※「プラットフォームハウス構想」について https://www.sekisuihouse.co.jp/pfh/   眞竹 :住まいを建てる、メンテナンスする、といったハード面でのサービスだけでなく、「健康」といったソフト面、サービス面でも人生に寄りそう価値提供まで広げて事業をされようとしているのですね。 大野さん :その中で具体的に取り組んでいるのが、「在宅時急性疾患早期対応ネットワーク HED-Net」※です。「プラットフォームハウス構想」の「健康・つながり・学び」の中で、まずは「健康」に取り組むものです。家の中で、実は約7万人の方が亡くなっているというデータがあります。脳卒中、心疾患、お風呂などでの事故、家の中での転倒や転落などによるものです。それらの社会コストは8兆円を超えると算出されているんです。私たちは「プラットフォームハウス構想」を実現することで、そのうち最大1兆9000万円削減できると試算しています。その第1弾である「HED-Net」は、住宅内でバイタルデータを非接触で検知・解析し、急性疾患発症による異常を検知した場合に、遠隔で安否確認を行い、救急への出動要請、そして救急隊の到着を確認し、玄関ドアの遠隔解錠・施錠までを一貫して行う、世界初の仕組みになります。   ※在宅時急性疾患早期対応ネットワーク HED-Netについて https://www.sekisuihouse.co.jp/library/company/topics/datail/__icsFiles/afieldfile/2020/01/08/20200108.pdf   眞竹 :「幸せ」を願って建てる家の中で、悲しいことが起こるのは、御社のスローガンである「世界一幸せな場所」から反することですね。「HED-Net」を実現するためのネットワーク構築は、御社単独ではできないことだと思うのですが。 大野さん :「コニカミノルタ株式会社」「日本電気株式会社(NEC)」「エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社」「株式会社プレミア・エイド」の各社様より「プラットフォームハウス構想」にご賛同いただいき、この仕組みに必要な技術、サービスを持っているパートナーの皆様と共に研究開発を進めています。また、「家が健康をつくりだす」をいうコンセプトのもと、住まいが高齢化社会における健康ニーズに対応できるよう、MIT(マサチューセッツ工科大学)との共同研究※も始まっています。 ※MIT(マサチューセッツ工科大学)との共同研究について https://sekisuihouse-reit.co.jp/file/20191008_mit.pdf   眞竹 :住まいを起点に、さまざまな企業や研究機関との共創が進んでいるんですね。私が気になった面白い取り組みとして、「Trip Base道の駅プロジェクト」※があるのですが、こちらには岡本さんが関わられているとお伺いしております。これはどのようなきっかけで生まれたプロジェクトなのでしょうか? 岡本さん :もともとは、とある企業と意見交換をしているときに出てきた、「道の駅の隣に道の駅で働く人の社宅があったら便利だよね」という着想がスタートなんです。そこで道の駅のことをいろいろ調べていくと、知っているようで知らなかったこといっぱいありました。例えば、道の駅が地域の情報発信拠点になっていたり、道の駅を中心に町おこししていこうとか、単なる休憩地点ではない役割を道の駅が持ち始めていた、ということを知ったんですね。加えて、道の駅で新鮮な肉とか魚、お酒とかを買ってその場で食べて、飲んで、寝られたらとても楽しいじゃないか、というところから、ホテルというアイデアを検討していきました。その中で、今後はインバウンドの増加も予想されるので、外資系ブランドのホテルとの協業を検討しようということで、それまで日本で一緒にホテル事業をしているマリオット・インターナショナル(以下、マリオット)に一緒にやらないか、と相談しました。マリオットとは以前から都市型ホテルはずっとやってきたんですけれど、地方部で外資系ホテルを展開する、という新たな側面からこのプロジェクトにもご賛同いただいて、やることになったんです。 ※「Trip Base道の駅プロジェクト」HP https://tripbasestyle.com/project/   眞竹 :このプロジェクトの中で、道の駅、またマリオットから、積水ハウスはどのような役割を期待され、担っているのでしょうか? 大野さん :ハード面で言うと、一部のホテルを積水ハウスが設計施工しています。なので、積水ハウスはプロジェクトマネジメントと設計・施工を担っています。 岡本さん :知名度のある大きい企業としての安心感、信頼感は持っていただいていると思うので、道の駅を管轄する行政側も積水ハウスからの話ということで耳を傾けてくださいますし、行政が保有する土地だけじゃなくて、行政が間に入って民間の土地をご紹介いただくケースもありましたね。 眞竹 :岡本さんは、プロジェクトのマネジメント側の立場で関わってらっしゃるのでしょうか?  岡本さん :当初はそのような関わり方だったのですが、現在はそこからソフト面での運営側に回っています。マリオットにホテルのサービス面では運営をお願いしているんですが、日本の地方部でホテル運営を担う知見はまだ蓄積されていないので、地域との連携といったところは、当社が間に入ってイニシアティブを握ってやっています。 眞竹 :そういった新しいチャレンジをされている人材の教育といった側面では、どのような取り組みをされているのでしょうか? 大野さん :事業領域の拡大や環境変化を考えて、人材教育を複層で考えています。1つは、次期マネジメントクラス。彼らには変化創造力、変化対応力の涵養を目的に「積水ハウス 経営塾」を受講してもらっています。行動経済学やDX・イノベーション・医学・哲学など、多様な分野の知識を得ながら新たな価値創造に取り組んでいます。2つ目は30代前半の中堅層。イノベーターやイントレプレナー(社内起業家)になり得る人材を発掘し、次世代リーダーに成長するための教育を受けてもらっています。岡本は、その1期生になります。 岡本さん :このプログラムの最終課題は、「10年後の積水ハウスと自分のあるべき姿」をプレゼンするもので、ほぼ1年かけてやりました。当初は様々な分野の、弊社とはあまり関わりのない分野の方の講義などのインプットから始まり、それらから着想して、会社や自己分析して、最後にプレゼン、という内容でした。 眞竹 :人材を採用する、といった側面ではいかがでしょう?もちろん専門的なノウハウをもつ中途採用も活用されていると思うのですが、新卒採用の面でのお考えをお聞かせください。 大野さん :海外事業の拡大やプラットフォームハウス構想の実現、その他の新規事業の立ち上げに伴い、様々な経験をしている人材を求めはじめています。 デジタルヘルスケア分野を意識して医学部の学生にアプローチをしたり、企業家精神があり積極的に行動できる学生、人とは違う斬新な価値観をもった学生も求めています。 眞竹 :積水ハウスが医学部、というのも意外なアプローチですね。そういった多様な人材を求める中でもここは外せない、という軸はありますでしょうか? 大野さん :当社の企業理念の根本哲学「人間愛」の中に「相手の幸せを願いその喜びを我が喜びとする」という一文があります。我々の仕事は、例えば住まい提案を通じて、お客様に「幸せ」を提供する仕事です。「幸せづくりのパートナー」として、企業理念に基づきお客様に対して、社会に対して新たな価値を創造するため、失敗を恐れず自ら考え行動することのできる人と一緒に働きたいと考えています。   オンライン取材の様子 左)インタビュアー: 電通 京都BAC engawa young academy 事務局 眞竹 広嗣 眞竹 :では、御社のインターンや採用に関する活動について、課題と感じているところを教えてください。 大野さん :従来の採用活動に加え、複数のインターンシップを実施するなど色々試みていますが、まだまだ出会えていない学生の方が多くいると感じています。 これからは様々な企業と協業していくことになりますので、新しいビジネスの種を作っていく人、いろいろなリソースを使いながらその芽を大きく育てていく人が必要になってきます。また、今すぐにはビジネスにならないけれども、新たな分野、新たな専門領域でじっくりと基礎研究をしてくれる人も必要です。これまで以上に、多様な人材を採用していくことが課題ですね。 眞竹 :そのような課題感がある中で、御社がeyaに参加されたその理由、意義、メリットなどを教えてください。 大野さん :当社の業領域の拡大や環境変化を考えて、これまでの採用活動ではなかなか接点を持てなかった「新たなビジネスの芽を生み出すアントレプレナー志向をもった人」と出会えるのではないかと考えたからです。実際に、期待以上に良い学生が多数おられ、そういった学生と接点を持てることは大きなメリットと考えております。また、他社の人事部の方や先進的な取り組みをされている社員の方のお話を聞けることができ、とても良い刺激になっています。 眞竹 :eyaにメンターとして参加するご自身にとっての意義や期待、メリットなどはいかがでしょうか? 岡本さん :感度の高い学生から良い刺激を得ることで、普段の仕事に良い影響があると思いますので、積極的にコミュニケーションをとっていきたいと思っています。また、他社のエネルギッシュなメンターの方の良いところを、最低1つは盗めればと考えています。 大野さん :確固たる自信をもち、自ら新しい時代を切り拓くんだという気概があるような学生が、何を思考し、どの様な活動を行い、社会に出て何をしたいと考えているのかを純粋に知りたいと思っています。 眞竹 :eyaは、異業種による人材育成への取り組みになりますが、そのような取り組みに対してどのような効果、刺激を期待されますか? 岡本さん :学生と他社からの積水ハウスのイメージを、単なる住宅メーカーからイノベーションに取り組んでいる住関連企業にアップデートしたいですし、他業種と比較したときに人材育成への姿勢が決して見劣りしていないということを学生には感じて欲しいです。どうしても、古い堅い企業というイメージが先行している気がしますので。また、他社の人材育成への取り組み事例を学ぶ機会として、これからの人事部の活動にいかしてほしい、と考えています。 眞竹 :ご自身の学生時代、就職活動と比べて、現在の学生はどう映りますか? 大野さん :自分を深く見つめ直せる絶好の機会、という意味で本質的なところは同じだと感じます。デジタルシフトによって人とのつながりや入手できる情報力は格段に多くなっていて、今の学生が羨ましいと思っています。 岡本さん :私は直観を信じるタイプで、実は就活は1社しか受けておらず、その1社(前職)から3回生の3月頃に内定を頂き就職することを決めましたので、全く比較にならないです(笑)。今思うと、もっと他の企業のことを知って色々話を聞いていればよかった、と若干ですが後悔しています。そんな自分と比べると失礼になりますが、やはり色々な情報をネットやリアルで入手する機会が増え、それにより選択肢の幅、就職するのか起業するのか等も増えていると思いますし、学生自身の実力・実績やアピール次第では企業側が歩み寄ってきてくれるので、就活もやりがいがあるのではないかなと思います。 眞竹 : eyaの学生たちと接して、感じたこと、期待することはどんなところでしょうか? 大野さん :強く目的意識を持っている方が多いなと感じています。あとは、摩擦を恐れず自分の意見や価値観を互いに共有し、理解し合い多くの気づきを得てほしいと思います。 岡本さん :皆さんはポテンシャルが相当高いので、それを今回のeyaでどう発揮して、また他の人から何を学んで帰るのかを毎回意識して取り組んで頂き、最後には10月より成長したと自覚出来るようになって欲しいですね。 眞竹 :では最後に、メンターとしてeyaの学生たちに伝えたいことや意気込みをお願いします。 大野さん :せっかくの貴重な機会なので、彼ら自身が自律的に他のメンバーと学びを共有してもらいたいと思いますし、その中で私が提供できる知識や価値があれば、それらを積極的に活用してもらえるような付き合い方をしていきたいですね。あとは、当社のことをもっと知ってほしいというのはありますね。彼らの一つの選択肢として面白そうな企業が一つ増えたなと思ってもらえたらうれしいですね。 岡本さん :当社のことを知って、出来れば好きになって欲しいですが、それだけがeyaの目的ではなく、参加している学生同士が切磋琢磨し合い、つながりを作って、将来そのつながりを活かせるようになって欲しいですね。そうすることでオープンイノベーションにも繋がると思いますし、“eya卒業生”というブランドも出来てくると思います。是非、このeyaをきっかけにご自身の可能性を広げて欲しいと思います。        

#インタビュー

【 engawa young academy 】 メンターインタビュー   ヤマトホールディングス篇

2020年10月より、engawa KYOTOにて始まった多業種合同インターンプログラムengawa young academy 2020(以下、eya)。参加企業のメンターの皆様から、eyaに参加されての感想や参加された理由、また学生に知ってほしい企業の新たな一面などを伝えるために、各社インタビューを行います。第2回目は、ヤマトホールディングスの上田さん、橘さんにお話を伺いました。   写真右)ヤマトホールディングス株式会社 人事戦略立案推進機能 上田 晃之助さん 写真左)ヤマトホールディングス株式会社 オープンイノベーション推進機能 橘 茉歩さん 所属は、取材:2020年11月当時のものです。   *第1回 NTT西日本篇は こちら   −eya、初日を終えての率直な感想はいかがでしょうか? 上田さん :非常に有意義だったと感じています。学生の高い質を感じることができました。また、学生からも、メンターと一緒に協力しながらやっていきたい思いを強く感じ取れましたし、各企業間の連携も事前のミーティングなどを重ねて引き続きやり取りができています。非常に良い意味でフランクな関係性を学生-企業、企業―企業の両面で築くことができているのかなと感じています。 橘さん :私も学生のみなさんがすごく積極的であるということが非常に見えた1日だったなと思っています。学生の自己紹介や戴いた質問から、お互いに対する関心がすごく高くて、プログラムを楽しみにしている姿勢がうかがえたので、こちらとしても楽しみだなと思いました。   −上田さんのお答えにあった学生の高い質、というのは、どのような点からお感じになりましたか? 上田さん :アイデアベースで考えないといけない場面で、いい意味でぶっ飛んだアイデアがいろんな方々から出てきたなっていう印象を受けました。ぶっ飛んだアイデアを出すというのは、世の中のことを色々知ってないといけないと思いますし、その知っていることに対して深く考えるということもできないとその説明ができないと思うのですが、どの学生も自然とそれができていたので、日頃からいろんな情報にアンテナを高く張ってそれを自らの中で思考を繰り返してるということを学生の皆さんからの発言から強く感じました。   −では、そんな学生たちへメンタードラフト※をやっていただいたのですが、ご感想は? ※メンターが企業名を隠して、学生に対して自己紹介プレゼン。学生が希望するメンターを指名するプログラム 上田さん :正直、非常に緊張するとともに、どっと疲れました笑。プログラム全体の早い段階で、社会人と学生とがお互い真剣だぞというのを言葉で語るだけではなく、あのような時間を共有することでお互いに「あ、この人真剣なんだ」というのを感じ取れた機会になったと思っています。また、学生に私自身を知ってもらうことで、その後に学生がこちらへ自己開示しやすくなったのでは、とも思います。それが、フランクな関係性構築にも寄与したのではないでしょうか。   −橘さんは、上田さんのメンタードラフトをどのような気持ちで見てらっしゃっいましたか? 橘さん :皆さん各社ですごく準備をされていたと思うので、どのメンターが選ばれてもおかしくはないなと、学生目線で見せていただきました。面白かったです。   −学生からも、メンターそれぞれに個性があったので、面白かったですっていう声を聞いています。事務局としてもうれしい反応でした。では、ここから御社のことについてお伺いしたいと思います。御社は今、学生からどういう企業イメージを持たれていると思いますか? 上田さん :「宅急便」、とにかく宅配事業会社、というイメージが大多数だと思っています。そして、お堅い、慎重、保守的といったイメージじゃないでしょうか。昔ながらのTHE日本企業で、チャレンジングなこと、先進的な取り組みというのはなかなかしない、もしくはするとしてもかなり足取りが重いといった印象は強いのではないかと思っています。   −では、御社の実際の姿を知らない学生へ、「実はこんな企業です。こんなことしてるんです」という、知られてないけど伝えたいことをご紹介して頂けますか? 上田さん :ヤマトグループは、「やれない事業はない」というぐらい事業フィールドが広いです。物流はもちろん、フォワーディング※などの貿易関連、地域共創、決済関連、システム開発、そういった様々な事業でのデジタル・データ活用事業、など本当に様々です。入ってみてからいろんなことを経験できる、知れるっていうのは、ヤマトの本当の魅力なのかなという風に思っています。 そして何よりもヤマトの最も重要な資産は、人財です。労働時間関連にも厳しく、かつ社員が働きやすい環境の構築にも注力しており、社員には最も働きやすい働き方で最大限パフォーマンス発揮して欲しい、というスタンスです。お客さまはもちろん、社員にも優しい会社です。 ※国際輸送だけでなく、それに伴う通関業務や輸送関係書類の作成、保税地域内での貨物の保管・梱包・配送業務など、国際物流に関わる業務を幅広く行うこと   −外の人間は僕も含め「ヤマト=宅急便」というイメージが良くも悪くも強くあると思いますが、例えば、ヤマトが行う地域共創※について、HPを拝見すると様々な事例が紹介されていました。宅急便以外でのこういった取り組みは、どのような流れで形になるのでしょうか? ※ヤマトグループの地域活性化取り組み事例 https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/government/   上田さん :さまざまなケースがあるのですが、一例として、一部の地域で宅急便に限らず買い物代行や家事サポート、見守りサービスなどを提供しているネコサポステーションなどの取り組みがあります。またその他にも、高齢なお客さまが多い地域などで、セールスドライバーがお客さまである高齢の方との会話の中で「こういうのがあったらいいんだけどね」といったご要望を、頂くことがあります。そして、それを受けたセールスドライバーが、「こういったことができないだろうか?」と社内で提言するところから新たな取り組みが始まることがあります。ヤマトは公共の道路を利用させて頂いて配送しているので、国や行政と関わりがあることを活かして、「実は地域の方々からこんな話が出ています」といったことを国や行政に連携し、その相談事に関わる事業者、法人などから協力を募ったり、ヤマトからもお誘いする形で作り上げていくケースがあります。   ネコサポステーション:「暮らしのために、できること、いろいろ」をコンセプトに、荷物のことだけでなく暮らしのこと全般に対して、困った際に頼れる生活相談窓口となることを目指す新しい形の地域コミュニティ拠点。地域共創の取り組みの一つ。 −地域のお客さまとの会話が吸い上げられていく風土やシステムがあるんですね? 上田さん :もちろん、実現に至るにはタイミングなどもあります。それらがシステムや制度という形で整備されているわけではないので、今後より一層、そういったお客さまの悩みやニーズを的確にかつスピーディーに連携し、できる限り実現させるためには様々な情報のデジタル化が必要だろうと考えています。それは「YAMATO NEXT100」※の中でも語っている通り、今後さまざまな観点から推進・加速していかないといけない部分だと考えています。 ※:2019年に迎えた100周年を機とした経営構造改革プラン https://www.yamato-hd.co.jp/news/2019/20200123.html   −「YAMATO NEXT100」についてお伺いしたいのですが、その中で目指している企業像は、どのようなものになりますでしょうか? 上田さん :単に荷物を届けるということにはとどまらない、人や社会にとってのインフラ企業となることを目指しています。ここでいうインフラは、本当に人が生活するために必要な存在になるレベルまでと位置付けています。荷物を人から人に届けることももちろん生きていくために必要ですが、先ほどお話しした地域共創事業をとってみても、そもそもの地域のコミュニティを作るだとか、出来上がったコミュニティをさらに活性化するためにどんなことができるだろうだとか、さまざまな観点から物流にとどまらない範囲で人の生活を深く支えられる企業になりたいというのは、よく社内でも語られています。   −「YAMATO NEXT100」の中では、先ほど課題とあげられていたデジタル化を通じたデータ・ドリブン経営への転換をうたっています。その中で立ち上げられたイノベーション担当組織「Yamato Digital Transformation Project」(以下、YDX※)についてお伺いしたいのですが、こちらはどのようなミッションの組織なのでしょうか?橘さんが所属されていますよね?   ※Yamato Digital Transformation Project https://www.yamato-dx.com/   橘さん :はい。YDXは「R&D“+D”」をミッションとした組織になります。最後のDはDisruption、「破壊的な」という意味ですね。例えばこれまでの業務をデータ化・デジタル化することによって効率化するということに留まらず、業務自体、事業そのものを根本的に進化させていくことが求められています。   −その中で「クロネコイノベーションファンド」という組織に属してらっしゃいますが、どのような業務をされているのでしょうか? 橘さん :日本のスタートアップをメインターゲットにしたCVCファンドです。簡単にご説明すると、YDXのミッションの達成に向けて、ヤマトの内側にはない資源や技術の活用を考える上で、ヤマトの経営理念に共感いただける革新的な、魅力的なスタートアップを探し出し、支援を検討しています。   −橘さんは、4〜5年目、ですよね?その企業の大きなミッションにその年次で関わってらっしゃるのが率直にすごいな、と思うのですが、どのような経緯で配属されたのですか? 橘さん :私は今、4年目で、もともとはホールディングスの傘下にある「ヤマト運輸」へ入社し、1年目には荷受けなど現場でも経験を積みました。海外へヤマトグループの魅力を伝える仕事がしたい、と会社には伝えていて、結果として海外ではないのですが、ヤマトの魅力を広げるという点では、国内のスタートアップの皆さんとお仕事することも通じる点があって、配属されたのかなと思います。   −新規事業領域で個人的に気になった一つが「空飛ぶトラック」※なのですが、そちらもYDXの一つのプロジェクトなんですよね? 上田さん :はい、以前からそのプロジェクは動いていたのですが、現在はYDXの中に組みこまれています。その他、新規事業領域としては、先ほど挙げた地域共創やEC事業者との連携(ECエコシステム※)の確立、その他に、YDXを中心としたデジタル領域や、橘も関わっているコーポレートベンチャリングなどがあげられます。     ※空飛ぶトラックプロジェクト: https://www.yamato-dx.com/ydx-channel/cvc-20191119/ ※ECエコシステムの一例: https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/EAZY/   −ではここから、御社のインターンや採用に関する活動について聞いていきたいと思います。ヤマトがいま変化していく中で、御社が重視している指針や取り組みを教えてください。 上田さん :弊社の企業理念や社訓に共感頂きたいというのは前提にあります。その上で、こちらから学生の皆さんにヤマトの新しい側面をお伝えし、ヤマトに新しい価値を見いだして頂き、ヤマトとともに将来の日本や社会を創っていきたいと学生の皆さんに感じて頂きたいです。そのために、学生という「人」とヤマトの「人」との交流というところに、一番重きを置いています。これは、現在、コロナ禍で就職活動のオンライン化が急速に進んでいる中でもあるので、より大切にしていきたいなと思っています。   −前提としてあげられた御社への共感の部分ですが、企業理念、社訓でもっとも共感いただきたい、大事な言葉などありますでしょうか?  上田さん :社訓の一つ、「ヤマトは我なり」はヤマトにとってとても要なものです。一人一人が会社の代表だ、自分自身がヤマトをつくっている、経営しているんだという思いで日々の業務に取り組むというスタンスを表しています。その思いがあれば必然的に自主性・積極性が出てくると思いますし、自分自身が社会に対して何をすることができるかということを考える起点になるので、私自身も日頃から非常に大切にしています。   −では、その中で御社が求めている人材像を教えてください。 上田さん :採用チームとしては、PBL型人財(Project Based Learning)、つまり課題解決型人財が今後のヤマトを担っていくために必要だと考えています。世の中の事象においてのさまざまな課題を自ら発見し、作戦を練り、周囲を巻きこみ実際に解決までもっていくという行動が、これからのヤマトを創っていき、さらには社会へのさらなる価値提供を成し遂げることに繋がると考えています。まさに「ヤマトは我なり」という、社訓そのものですね。   −そういう人材を求める活動の中で、課題と感じているところは? 上田さん :ヤマト=宅急便”だけ”のイメージを払拭することが一番の課題であり、一方で、一番の鍵だと考えています。現時点でヤマトのファンでない方にヤマトの新しい一面や面白さをいかに伝えていくか、が課題です。そして、現時点でヤマトのファンの方に、ヤマトのさらなる魅力を訴求することももう一つの鍵だと考えています。   −そのために、何か取り組み、チャレンジなどされているところはありますか? 上田さん :学生の方々に対して直接的にこちらからアタックにいったり、イベントに誘致するといったことを新たに始めています。また、学生の方に参加して頂くイベントの中では、例えば「宅急便」というワードをほとんど使わないといったようなことをしたりしています。とはいえ、宅急便ももちろん弊社の重要なコア事業の一つであることは確かなので、伝え方は常に意識しています。   −「宅急便」を使わない!?そのイベントでの学生からの反応はいかがですか? 上田さん :当初、反応への不安はもちろんありました。しかし、いざやってみると、大変ありがたいことに「宅急便」が既に皆さんの中に浸透していて、「宅急便がある上でプラスαとして、何があるか」という観点から情報を吸い上げようとしてくれていました。「宅急便以上のことでこんなことやっていたんだ」とか、「新しい考え方で普段の業務や業務改革に取り組んでいるんだ」といった感想を皆さんからいただいています。   オンライン取材の様子 左)インタビュアー: 電通 京都BAC engawa young academy 事務局 眞竹 広嗣   −そういう学生の姿勢は頼もしいですね。そういった活動の中で、御社がeyaに参加されたその理由、意義などを教えてください。 上田さん :まずは、日本でも高いレベルの学生の方々にお会いし、今後の社会を共に創っていくことができる人財に会いたいと考えていた点が理由として挙げられます。また、これからのヤマトを創っていくには、新しいレイヤーの学生の方々にもお会いしていかないといけないと思っており、そこは採用といった観点での参加意義だと思っています。そして、現在自社が変革期にある当社のメンバーが、社会の未来やご自身の未来を高い視座から考えている学生の方々と密に何か月にもわたって会話し、一緒に何か作り上げていくという経験はなかなかないので、とても有意義な機会だと感じております。学生の皆さんと相互に新しい刺激を与え合い、相互に成長できる機会として、私含め参加しているメンターも新たな観点や、気づきを得られるだろうな、と考えています。将来、彼ら彼女たちが社会人になったときに、会社が違っても一緒でも、何かしらを一緒に共創できる仲間になれればいいですね。   −では、eyaにメンターとして参加されるご自身としての観点ではいかがでしょう?  上田さん :採用に関わる職種である以上、一生懸命人生を走っている学生の皆さんが何を考え、何を想い、どのようなアクションを起こしているのか、ということをよりリアルタイムに知ること、それに直接触れることがとても大事だと私自身考えています。また、それらは、「今後のヤマトや社会を担う人たち」という組織体を創る上非常に重要なことだと考えているので、学生の皆さんと長期間、かつ直接かかわれることは、メンターとして参加していることの大きな意義だと感じています。   −eyaは、異業種による人材育成への取り組みになります。そのような取り組みに対してどのような効果、刺激を期待されますか?  上田さん :自分自身の会社や業界では当たり前と思っていることが、他社と深く関わってみると外では実は異なっているだとか、気づかないうちに視野が狭まっているだとか、そういったさまざまな新しいことに気付くことができる機会なので、非常に貴重な場だと思っています。一方で、「同じ悩みを抱えているんだな」といった共感もあるため、それらが総じて組み合わさることで、新しいシナジーを作るきっかけになるんじゃないかな、という期待をしています。また、eyaが終了した後も含めて長期的に考えても非常に楽しみだなと思っています。   −ご自身の学生時代、就職活動と比べて、eyaの学生はどううつりますか? 上田さん :現在の学生の皆さんは、非常に情報のアンテナを高く張り、様々な観点から物事を捉え、考えているように感じます。また、留学をすることに留まらず、起業やサービス立ち上げといったことが昔に比べると多くなってきていることを見ると、新しく踏み出すことに躊躇しない方が多いのかなという印象を受けています。一方で、様々な考えや知識、経験を持っていても、それをどうアウトプットすればよいのか、どう他者と共創していけばよいのかといった点についてはまだ不慣れな方がいらっしゃるのかなと感じています。ただ、その点はこれから磨いていけばどうとでもなるので、磨き上げていくためにもメンターをフル活用頂き、将来の日本、ましてや世界を牽引する存在になる方がeya、もっと言うと当チームから出てきて頂けることを期待しています!笑   −では最後に、メンターとしてeyaの学生たちに伝えたいことや意気込みをお願いします。 上田さん :皆さんは本当に優秀です。なので、ぜひ自信を持って、学生間はもちろん、学生-メンター間でも本気で向き合いましょう!そしてeyaはまたとない機会です!eya内でも様々なものに触れ、互いに刺激を受けて成長し、そして将来はぜひ一緒に世の中に価値を提供していきましょう! 橘さん :参加しているまわりの学生とのコミュニケーションは勿論のこと、是非各課題に全力で向き合う中で、ヤマトのアセットと私たちメンターをも思い切り使い倒す気持ちで来て欲しいなと思っています。ひいてはそれが、私たちにも新しい視点をもたらしてくれると思うので、双方にとっての成長の機会になればいいなという風に思います。